投資歴10年超(2015年NISAスタート)、保険業界10年からIT企業に転職したHIKOです。FP2級を保有しています。

投資を始めようと思ったとき、多くの人が最初に詰まるのは「何を買うか」ではなく「いくら入れればいいのか」です。私自身、2015年に年収300万円台で投資を始めたとき、金額の決め方がわからないまま「買える金額かどうか」で銘柄を選んでいました。その結果が、コナカ(7494)を738円×100株という買い方です。

この記事は、投資を始める前の「家計側の準備」に絞って書きます。いくら確保してから始めるか、どこを削って原資を作るか、続けられる金額をどう決めるか。この3つだけです。

なお、口座開設から商品選び・積立設定までの手順を知りたい方は、新NISAの始め方|30代初心者が最初にやること5ステップが手順書になっています。手順を知りたいならそちら、いくらから始めるかを決めたいならこの記事、という役割分担です。


投資はいくらから始める?結論は「生活防衛資金の確保後、手取りの10〜15%」

先に結論を書きます。

  1. 生活防衛資金(生活費3〜6ヶ月分)を現金で確保する
  2. 家賃を含む固定費を、手取りに対して無理のない比率まで下げる
  3. その結果として残った余剰資金から、手取りの10〜15%を目安に積立額を決める

金額そのものより、この順番のほうが結果に効きます。証券会社によっては月100円から積み立てられるので、「いくらから始められるか」という意味での下限は実質ありません。問題は「いくらなら続けられるか」です。

順番を飛ばして積立額だけを大きくすると、急な出費のたびに取り崩すことになり、複利が効き始める前に運用がリセットされます。私が10年超やってきた実感として、金額を上げることより、下げずに続けることのほうが難しいです。


投資を始める前に生活防衛資金はいくら必要か

生活防衛資金とは、収入が止まっても生活を維持するための現金です。目安は生活費の3〜6ヶ月分と言われています。

状況目標額の目安考え方
会社員・共働き生活費3ヶ月分傷病手当金・失業給付の対象になるため、公的な下支えがある
会社員・単独収入生活費4〜6ヶ月分収入が止まると世帯全体が止まるため厚めに
転職を考えている生活費6ヶ月分離職期間と転職後の収入変動を織り込む

置き場所は、値動きのない普通預金など、すぐ引き出せるところが前提です。「生活防衛資金も運用したほうが効率的では」と考えたくなりますが、必要なときに元本割れしている可能性がある場所に置くと、防衛資金の役目を果たしません。

私が2015年から3年間、旧NISAをほぼ満額で埋めていたときの手取りは月16〜20万円でした。手取りの40〜50%を投資に回していた計算になりますが、これが破綻しなかったのは実家暮らしで家賃・食費がほぼゼロだったからです。家賃を払う生活で同じ比率を入れていたら、間違いなく途中で止まっていました。当時の買付額・銘柄・配当推移は実家暮らしでNISA満額3年突っ込んだ20代の話に一次データで残しています。

「いま話題のNISA貧乏」と私の当時の違いは、家賃がゼロだったかどうかの一点だけでした。だからこそ、金額を決める前に現金の土台を作る順番を強く勧めています。


投資の原資は固定費の見直しで作る(家賃が最大のレバー)

「投資に回すお金がない」という状態のとき、収入を増やすより先に効くのは固定費です。固定費は一度下げれば毎月自動的に効き続けるため、原資づくりの再現性が最も高い方法です。

優先順位は次のとおりです。

  1. 家賃:金額が最大。1回の見直しで月数万円動く
  2. 通信費:格安SIMへの切り替えで月数千円
  3. 保険料:保障の重複・不要な特約の整理
  4. サブスク:使っていないものの解約

家賃が最優先なのは、単純に金額が大きいからです。目安は手取りの25〜28%以内。よく言われる「30%ルール」は貯蓄しない前提の生活ラインなので、投資と並行するなら27〜28%を上限として考えるほうが現実的です。手取り別の具体的な上限額は家賃の安全ラインは手取り何%?手取り別シミュレーションで「自分の上限」を出す方法に数値で出しています。

私自身、独身時代に港区の1Kで手取り35万円・家賃16万円という生活をしていました。比率にすると46%です。当時の毎月の貯金はゼロでした。手取りは決して少なくないのに、原因はほぼ家賃だけだったという当時の内訳は家賃の安全ラインは手取り何%?手取り別シミュレーションで「自分の上限」を出す方法に書いています。結婚を機に転居して家賃が月5万円下がり、そこが投資原資になりました。

通信費・保険料・サブスクを含めた固定費全体の下げ方は固定費を下げる方法|まず見直すべき3つと優先順位にまとめています。

なお、家賃が高い状態のまま投資を始める設計もあり得ます。転居がすぐにできない場合の考え方は家賃の安全ラインは手取り何%?手取り別シミュレーションで「自分の上限」を出す方法の「いまの家賃をすぐには下げられない場合」に整理しています。


投資額は手取り別にいくらが目安か

生活防衛資金と固定費の条件が整った前提で、手取り別の目安を並べます。

手取り月収生活防衛資金の目標(3ヶ月分の目安)家賃の上限目安(25〜28%)投資額の目安(10〜15%)
20万円約60万円5.0〜5.6万円月2〜3万円
25万円約75万円6.3〜7.0万円月2.5〜3.8万円
30万円約90万円7.5〜8.4万円月3〜4.5万円
35万円約105万円8.8〜9.8万円月3.5〜5.3万円

生活防衛資金の欄は「生活費が手取りとほぼ同額」と仮定した場合の3ヶ月分です。生活費が手取りより少ない方は、その分だけ目標額も下がります。

投資額の欄はあくまで一般的に使われる比率であり、この金額を入れなければならないという性質のものではありません。条件が整っていない段階なら、月1万円から始めて、固定費を下げられた分だけ積立額を上げていくほうが安全です。

月3万円を10年間、年率5%を置いた概算では、元本360万円が約466万円になります。ただしこれは一定の利回りを仮定した試算であり、将来の運用成果を保証するものではありません。運用期間中に元本を割り込む可能性もあります。


続けられる投資額の決め方3ステップ

金額の決め方を、実際に手を動かす順番で書きます。

ステップ1|生活防衛資金の「残り」を計算する

いまの貯金額から、生活費3ヶ月分(不安な方は6ヶ月分)を引きます。マイナスなら、その差額が埋まるまでは貯金が優先です。投資を並行したい場合でも、貯金の増加ペースが落ちない範囲に積立額を抑えてください。

ステップ2|固定費を下げて、原資の上限を決める

家賃・通信費・保険料・サブスクを棚卸しして、下げられた金額を出します。ここで浮いた金額が、生活水準を落とさずに投資へ回せる上限です。生活費を我慢して捻出した金額は、反動でいずれ止まります。

ステップ3|「下げずに続けられる額」まで落として設定する

出した上限額から、さらに2〜3割落とした金額で自動積立を設定します。余裕があれば増やせますが、一度設定した積立額を下げるのは心理的に負担が大きいためです。

積立を止めてしまうことのコストは、金額が小さいこと以上に大きくなります。月3万円を年率5%と置いた場合の概算で比較すると、次のような差になります。

月3万円の積立を「いつまで続けたか」による差(年率5%想定)
272万円
3年でやめた
767万円
10年でやめた
1233万円
20年続けた
単位:万円/20年時点の評価額の概算。投入元本は3年=108万円・10年=360万円・20年=720万円。積立をやめた後も運用は継続した前提です。一定の利回りを置いた試算であり、将来の運用成果を保証するものではなく、元本割れの可能性もあります。

3年でやめた場合と20年続けた場合の差は、金額の大きさではなく期間の長さから生まれています。だからこそ、決めるべきなのは「最大いくら出せるか」ではなく「何があっても下げずに済む額はいくらか」です。


投資額の決め方でやりがちな失敗(私の実体験)

「買える金額」で投資先を選んでしまう

2015年に投資を始めたとき、私は月々の余力から逆算して「いま買える金額の銘柄」を選んでいました。コナカ(7494)を738円×100株で買ったのがその典型です。金額の制約が投資対象の選定基準になってしまうと、企業の中身を見ないまま買うことになります。この時期の失敗は旧NISAで個別株投資に失敗した話に取引履歴つきで書いています。

いまは金額の制約と商品選びを切り離せます。投資信託なら月100円単位で買えるので、「予算が少ないから対象を変える」必要がありません。商品選びの考え方はオルカン積立の実績を公開|個別株の98%が日本株だった私が全世界株を選んだ理由にまとめています。

非課税枠を「埋めるべき目標」だと思ってしまう

新NISAの年間360万円という枠は上限であって、ノルマではありません。枠を基準に積立額を決めると、家計の実力と無関係な金額になります。基準にすべきなのは枠ではなく手取りと固定費です。

一気にまとまった額を入れてしまう

始めた直後に下落局面が来ると、金額が大きいほど耐えられなくなります。最初の数年は「相場が下がっても設定を触らずにいられるか」を確認する期間だと考えて、金額を抑えるほうが結果的に長続きします。


投資額が決まったら次にやること

金額が決まったら、あとは口座を開いて設定するだけです。手順は別記事にまとめてあります。

積立設定は一度やれば毎月自動で買い付けられます。金額を決めるところまで来ていれば、残りの作業は30分程度で終わります。

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投資はいくらから始めるかのよくある質問

Q. 投資はいくらから始めるのがいいですか? 証券会社によっては月100円から積み立てられるので、下限を気にする必要はありません。目安として使われるのは手取りの10〜15%で、手取り25万円なら月2.5〜3.8万円程度です。ただし生活防衛資金と固定費が整っている場合の話で、条件が揃っていなければ月1万円から始めるほうが続きます。

Q. 投資を始める前に生活防衛資金はいくら必要ですか? 一般的な目安は生活費の3〜6ヶ月分です。会社員で傷病手当金や失業給付の対象になる方は3ヶ月分から、収入が変動しやすい方や転職を考えている方は6ヶ月分を目標にすると安心です。すぐ引き出せる普通預金などに置くのが前提です。

Q. 生活防衛資金が貯まる前に投資を始めてはいけませんか? 禁止ではありませんが、順番としては現金の土台が先です。急な出費で積立を取り崩すと、複利が効き始める前に運用がリセットされます。並行したい場合は投資額を月1万円などに抑えて、貯金の増加ペースを止めない設計にしてください。

Q. 投資の原資はどこから作るのが早いですか? 固定費、特に家賃です。私自身、独身時代に港区の1Kで手取り35万円・家賃16万円(手取りの46%)で貯蓄ゼロでしたが、結婚を機の転居で家賃が月5万円下がり、そこが原資になりました。家賃の目安は手取りの25〜28%以内です。


まとめ:金額は「続けられるか」で決める

  1. 生活防衛資金(生活費3〜6ヶ月分)を現金で確保する
  2. 家賃を中心に固定費を下げて、投資に回せる上限を出す
  3. その上限からさらに2〜3割落とした金額で自動積立を設定する

投資額に正解の数字はありません。手取りの10〜15%という目安はありますが、それより優先されるのは「何があっても下げずに済む額かどうか」です。

金額が決まったら、手順は新NISAの始め方|30代初心者が最初にやること5ステップに沿って進めてください。

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※本記事は2026年7月時点の情報をもとにしています。記載の試算は一定の利回りを置いた概算であり、将来の運用成果を保証するものではありません。元本割れの可能性を含め、投資は自己責任でお願いします。

HIKO

HIKO

保険業界10年勤務・30代IT会社員ブロガー

保険業界10年勤務後、IT企業に転職。生命保険・損害保険の「売り手側の論理」を知った上で、本当に必要な家計管理・投資の情報を発信。NISAや固定費削減の実体験をもとに、30代サラリーマンのお金の不安を減らすことを目指しています。

保険業界10年 IT転職 NISA実践中 固定費削減経験あり