楽天証券の旧NISA口座を11年運用してXIRR 9.03%・トータル+2,820,053円・配当80.7万円。同じ593件のキャッシュフローを同じ日にS&P500(円換算)に投じていたらXIRR 16.62%でした。差は-7.59pt。この記事はその差を「市場要因(米国株強さ+円安)」と「自分の意思決定要因(米国比率不足・損切り遅れ・キャッシュ滞留)」に切り分け、改善できたのは+5pt前後(9% → 12〜14%程度というシナリオも成立しえた・上振れケース)だったと結論づけるための実績記事です。
この記事の3行サマリー
- 11年運用してXIRR 9.03%。同条件のS&P500(円換算)バックテストではXIRR 16.62%(差-7.59pt)
- 差の内訳:市場環境による超過リターン約3〜4pt(米国株強さ+円安)/米国アセットを持たなかった機会損失+5pt前後(エクスポージャー4.8 + 損切り0.32 + キャッシュ0.26)
- 過去データが示すのは「同期間の条件下では、意思決定改善で+5pt前後(年率12〜14%程度というシナリオも成立しえた)という上振れケースが見えた」こと。将来の約束ではなく、あくまで上振れシナリオ
平成時代を生きた30代、保険業界10年からIT企業へ転職したHIKOです。投資歴は11年(2015年スタート)、独身時代の年収は300万円台、最初の個別株は738円で買ったコナカ(7494)でいまも含み損3〜4万円のまま塩漬け中です。最大の成功はJTで+376,930円、最大の失敗は青山商事で−310,960円。良いことも悪いことも、全部同じ楽天証券の口座1つで起きています。
※この記事はこんな人向けです
- 旧NISAをロールオーバーするか売却するか迷っている
- 楽天証券で旧NISAを使ってきたが、年率(XIRR)・含み益込みでいくら残ったか自信がない
- 個別株を続けるべきか、インデックスに切り替えるべきか、自分のなかで答えを出したい
1つでも当てはまる方は、そのまま読み進めてください。
結論:楽天証券・旧NISAの11年トータル
最初に結論を出します。投信分配金は別枠なので除外し、個別株+ETFのみで集計しています。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 配当金合計(国内+外株) | 807,508円 |
| 売却済み実現益(売却−購入の差額) | +1,159,933円 |
| 未売却保有の含み益(2026/5/2時点) | +852,612円 |
| トータル損益(実現+含み) | +2,820,053円 |
そして、年率の指標がこちらです。
- XIRR(年率内部収益率): 9.03%
- 単純CAGR: 2.47%
- 単純トータルリターン: +31.41%
- 期間: 11.18年(2015年3月〜2026年5月)
XIRRはキャッシュフローの発生タイミングを考慮した年率なので、毎年バラバラに買い増し・売却・配当受取をしている私のような口座では、これが一番実態に近い数字です。
11年を一言でまとめると、「年率9%で配当も含み益も両方積み上がった。S&P500(円換算)には負けたが、そのうち自分の改善余地は+5pt前後(9% → 12〜14%程度というシナリオも成立しえた・上振れケース)」という結果です。詳細は次のセクションから順に開示していきます。
なお上の表は楽天証券の旧NISA口座のみの集計です。新NISA成長投資枠や特定口座、投信分配金(249,371円)は別管理なので、ここには含まれません。
配当合計80.7万円の年次推移
まずは配当の年次推移を見てください。
11年の山谷を見て気づくことが3つあります。
- 2015年はわずか2,050円。NISA開設直後で銘柄数が少なく、決算月の配当をほとんど拾えていなかった
- 2017〜2020年は6〜7万円台で安定。国内高配当株の銘柄分散が効いていた時期
- 2023年に118,417円へ跳ね上がる。VYM(米国高配当ETF)の初配当(3,934円)と国内ETFが揃って効き始めた
**「配当は急に増えるものではないが、積み上げると確実に増える」**というのが11年でわかった一番大事なことです。年間2,050円から始まって、2024年は140,846円。70倍になるまで10年かかりました。
詳細な年次内訳は次の表のとおりです。
| 年 | 国内配当 | 外株配当(VYM) | 合計 |
|---|---|---|---|
| 2015 | 2,050 | 0 | 2,050 |
| 2016 | 25,800 | 0 | 25,800 |
| 2017 | 65,725 | 0 | 65,725 |
| 2018 | 70,450 | 0 | 70,450 |
| 2019 | 67,900 | 0 | 67,900 |
| 2020 | 61,500 | 0 | 61,500 |
| 2021 | 37,801 | 0 | 37,801 |
| 2022 | 64,471 | 0 | 64,471 |
| 2023 | 114,483 | 3,934 | 118,417 |
| 2024 | 127,374 | 13,472 | 140,846 |
| 2025 | 119,758 | 13,202 | 132,960 |
| 2026(4月迄) | 19,588 | 0 | 19,588 |
| 合計 | 776,900 | 30,608 | 807,508 |
この80.7万円は全部、旧NISAなので非課税です。同じ配当を特定口座で受け取ると約20.315%が引かれるので、手取りで約16.4万円分の非課税メリットを享受できた計算になります。
配当TOP銘柄ランキング(楽天証券・旧NISA)
次に、銘柄別の配当累計を見ていきます。旧NISA口座で受け取った分のみの金額です。
| 順位 | 銘柄 | コード | 配当累計 |
|---|---|---|---|
| 1位 | 日本たばこ産業(JT) | 2914 | 82,000円 |
| 2位 | マブチモーター | 6592 | 64,900円 |
| 3位 | ウエスコホールディングス | 6091 | 45,500円 |
| 4位 | 東京海上ホールディングス | 8766 | 45,050円 |
| 5位 | 青山商事 | 8219 | 44,000円 |
| 6位 | ソフトバンク | 9434 | 43,000円 |
| 7位 | MXS全世界株式 | — | 33,768円 |
JTは配当だけで82,000円、最終的に売却益+376,930円も出した、私の旧NISAで最大の成功銘柄です。一方で配当TOP5に入っている青山商事は売却で−310,960円の損失を出しており、44,000円の配当でも到底回収できていません。
「配当ランキング上位=良い投資」とは限らない、という典型例が私の口座の中にちゃんと残っています。
→ 旧NISAで個別株投資に失敗した話|買える金額で銘柄を選んでいた私の後悔
未売却保有銘柄の含み益(2026/5/2時点)
旧NISAは2023年で新規買付が終了し、今は「過去に買って残っている分」だけです。2026/5/2時点の保有状況を全部開示します。
| 銘柄 | コード | 数量 | 平均取得 | 現在値 | 評価額 | 評価損益 | 騰落率 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 東京海上HD | 8766 | 100株 | 2,839 | 7,093 | 709,300 | +425,400 | +149.84% |
| マブチモーター | 6592 | 400株 | 886.25 | 1,500.5 | 600,200 | +245,700 | +69.30% |
| 日本管財HD | 9347 | 100株 | 2,518 | 2,859 | 285,900 | +34,100 | +13.54% |
| アルプス技研 | 4641 | 100株 | 2,506 | 2,504 | 250,400 | -200 | -0.07% |
| 旭化成 | 3407 | 100株 | 940 | 1,524.5 | 152,450 | +58,450 | +62.18% |
| アニコムHD | 8715 | 100株 | 559 | 1,468 | 146,800 | +90,900 | +162.61% |
| IS気候外国債券ヘ | 2853 | 20株 | 708.5 | 621.6 | 12,432 | -1,738 | -12.26% |
| 合計 | 2,157,482 | +852,612 | +65.4% |
ハイライトは2つです。
- 東京海上HD: +425,400円(+149.84%)。2015〜2017年に2,839円平均で仕込んだ100株が、いま7,093円。配当も累計45,050円受け取っており、配当+含み益で約47万円。私の旧NISAで売却前提なら最大の成功候補です
- アニコムHD: +90,900円(+162.61%)。100株しか買っていないので絶対額は小さいですが、騰落率では最大級
この未売却保有の含み益+852,612円が、トータル損益の3割を占めています。「売却して確定した利益」だけ見ていると見落とすので、含み益込みで評価することにしました。
インデックスと比べてどうだったか(S&P500・TOPIX)
私のXIRR 9.03%を、同期間のインデックスと比べてみます。
| 指標 | 2015年初 | 2026年5月 | 騰落率 | CAGR |
|---|---|---|---|---|
| HIKO 旧NISA(XIRR) | — | — | — | 9.03% |
| S&P500(USD建て) | 2,028.18 | 7,230.12 | +256.5% | 11.9% |
| S&P500(円換算) | 238,392円 | 1,135,130円 | +376.2% | 14.7% |
| TOPIX | 1,407.51 | 約3,500 | +148.7% | 8.5% |
| USD/JPY | 117.555 | 157.05 | +33.6% | 2.6% |
評価をそのまま書きます。
- HIKO 9.03% vs TOPIX CAGR 8.5% → +0.5pt勝ち(配当除外比較)。配当込みのTOPIXトータルリターンと比べたら、おそらく互角〜ややTOPIX有利です。少なくとも「TOPIXに大勝ち」とは言えません
- HIKO 9.03% vs S&P500(円換算)14.7% → −5.7pt負け。これははっきり負けです
- 円安効果(USD/JPY 117→157)が年率2.6ptも乗っているので、米国株を持っていなかった私はその追い風をほぼ取り逃しました
但し書きを2つ。
- CAGRは「同期間・同額を最初に一括投入した場合」の前提で計算する指標です。私のような時系列分散投資のXIRRと、最初に一括投入したCAGRは厳密には同じ土俵ではありません
- ただし、XIRR 9% < S&P500(円換算)CAGR 14.7%の差は、計算前提の誤差で説明できる範囲を超えています。素直に「インデックスに負けた」と認めるべき差です
※ 重要:このCAGR比較はやや不利な土俵での比較ですが、後述の「同一キャッシュフローでのXIRR比較」でも 9.03% vs 16.62% の差が確認できています。つまり指標差(XIRR vs CAGR)による誤差ではなく、実質的なリターン差です。
※ 重要:S&P500(円換算)は2015〜2026の11年間で結果的に最も強かったアセットの一つです。これとの比較は「現実の投資判断」というより「事後的に見えた最適解との比較」に近い性質を持ちます。「S&P500に負けた」は事実ですが、それは「最強アセットに負けた」とほぼ同義であり、ベンチマークの選び方で結論は変わります(TOPIXとはほぼ互角だったことを思い出してください)。
ここで気になるのは、「同じ期間に同じ金額を、同じ日にS&P500で買っていたら、私はいくら取れていたのか」です。次のセクションで、その仮想シミュレーションをやります。
失点分析:S&P500に何ptで負けたのか、その本当の内訳
ここがこの記事の核心です。私の旧NISAの全593件のキャッシュフロー(買付・売却・配当)をそのまま、「同じ日に同額をS&P500(円換算)で買い続けたらどうなっていたか」に置き換えてXIRRを計算しました。
仮想シミュレーション:同じキャッシュフローをS&P500に流し込む
| シナリオ | XIRR |
|---|---|
| HIKO 旧NISA実績(個別株中心) | 9.03% |
| 同じキャッシュフローをS&P500(円換算)に投じた場合 | 16.62% |
| 差 | -7.59pt |
※ 簡易シミュレーションです。各買付日の年初S&P500終値とその年のUSD/JPY平均を使って円換算した近似値で、配当再投資の細かい税効果や売買タイミングの日次差は反映していません。それでも年率で7.59pt負けたという結論はゆるぎません。
ただし、ここで重要な切り分けが必要です。この-7.59ptは全部「自分のミス」ではありません。バックテストで実数値を出してから分解します。
バックテスト:米国比率を変えるとXIRRはどう動くか
「-7.59ptはどこから来たか」を実データで検証しました。私の旧NISAの全593件のキャッシュフローを、各買付日に「国内銘柄(1-X) + S&P500(X)」へ比例配分し直してXIRRを再計算します。
| 米国比率 | XIRR | 実績9.03%との差 |
|---|---|---|
| 0%(全額国内) | 8.58% | -0.45pt |
| 3.5%(実績相当・S&P500代用) | 9.73% | +0.70pt |
| 10% | 11.39% | +2.36pt |
| 30%(パターンC相当・コア寄り) | 14.53% | +5.50pt |
| 50% | 16.32% | +7.29pt |
| 70% | 17.50% | +8.47pt |
| 100%(全額S&P500) | 18.69% | +9.66pt |
ここから読み取れることは2つです。
- 米国比率を10%→30%に上げるだけでXIRRは11.4%→14.5%へ約3pt改善する。これは私の意思決定で十分潰せた領域
- 米国比率0%(純国内のみ)でも XIRR 8.58%。米国を全く持たなくても、国内株式戦略単体で年率8〜9%は維持できていたことを意味する
失点を「超過リターンの源泉」と「エクスポージャー不足」に分解する
差-7.59ptを再構成すると、こう整理できます。
| 要因 | 性質 | 寄与(バックテスト+推定) |
|---|---|---|
| 米国株というアセットクラスを持たなかった機会損失(米国株強さ+円安そのもの) | 0%でも全額入れても取れる差。これは「11年間の市場環境」 | 全体差 約10pt(純国内8.58% vs 全額米国18.69%) |
| エクスポージャー不足(米国比率を3.5%→30%に上げる意思決定) | 自分の改善で潰せる領域 | 約+4.8pt(実績9.73% → パターンC 14.53%)※バックテスト |
| 損切り遅れ(青山商事1銘柄の影響) | 自分の改善で潰せる | 約+0.32pt(推定・損失310,960円÷11.18年) |
| キャッシュ滞留(MRF平均残高174,288円・最大1,342,300円) | 自分の改善で潰せる | +0.26pt(実測)※平均キャッシュをS&P500年率14.7%で運用していた場合の差 |
| 合計(自分の改善余地) | 約+5.4pt(実測ベース:エクスポージャー4.8 + 損切り0.32 + キャッシュ0.26) |
重要な但し書き:この2つは完全には分離できません。「米国比率を上げる」という意思決定の成果は、米国株強さ+円安という市場環境に強く依存します。米国比率を上げる選択自体が市場ベットの一種であり、次の11年で米国が劣後すれば「エクスポージャー不足」は失点ではなくなります。つまりこの分解は「過去11年の結果論」であり、未来の処方箋ではありません。
※ ここを「市場差」と呼ばないのは、純国内 vs 米国100%の差にはセクター構成・成長率・配当文化・通貨建ての違いが混ざっているためです。正確には「米国株というアセットを持たなかったことによる機会損失」と表現するのが妥当です。
つまり-7.59ptのうち、自分の意思決定で改善できたのは+5pt前後(9% → 14.4%程度)。バックテストで「米国比率30%にしていればXIRR 14.53%」が実数値として確認できたため、「9% → 14.4%」は推定ではなく実データで裏付けられた可能性のある水準になります。
残りの3〜4ptは「米国株強さ+円安そのもの」という市場の追い風で、米国比率を上げていれば部分的に取れた領域ですが、全部取りにいくにはパターンA(コア100%)が必要でした。これは個別株を楽しむ余地ゼロを意味するので、「再現性 × 楽しさ」のバランスでは現実解とは言いがたいです。
→ 結論はこうです。過去11年の条件では、個別株を続けながら年率12〜14%程度というシナリオも成立しえた(最強アセットとの比較なので、これは上振れケース)。これがバックテストで見えた数字であり、未来への約束ではありません。
この記事を読んだあなたへの含意
私の意思決定ミス(米国比率不足・損切り遅れ・キャッシュ滞留)は、これからNISAを始める人にとっては避けやすい失敗です。
- 米国比率不足 → コア(インデックス)部分でS&P500か全世界株を厚めに持てば回避できる
- 損切り遅れ → 「買値で判断しない」というルール1つで回避できる
- キャッシュ滞留 → 自動積立の設定1つで回避できる
3つともシステム化できる失点なので、意志の力ではなく仕組みで潰せるものです。改善できれば、年率9% → 12〜14%が上振れケースとして見える。これがこの記事の現実的な結論です。
為替の正体:VYMで取れた+100.6%の中身
失点分析の前提として、「VYMで取った利益のうち、本当に銘柄選択で取った分はいくらか」を分解しておきます。これが見えていないと、「米国株を持っていればよかった」の意味を誤解します。
VYMは2015〜2021年に旧NISA枠でコツコツ28株積み上げ、購入累計311,854円・ドル建て平均は約99ドル/株、円建て平均は約11,138円/株でした。
そして2025年12月24日、このVYM 28株を1株144.10ドル相当で全売却。売却代金は625,713円、売却益は+313,859円(+100.6%)になりました。
正直に分解します。
| 要因 | リターンへの寄与 |
|---|---|
| ドル建て株価上昇(99ドル→144ドル) | +45.6% |
| 円安効果(USD/JPY 117円→157円) | +33.6% |
| 残り(複利・配当再投資・購入タイミングの分散効果) | 約+21pt |
| 合計(円建てリターン) | +100.6% |
つまり、VYM利益の半分以上は円安効果です。私が投資判断として褒められるのは「米国高配当ETFを11年前に選んだこと」までで、リターンの大半は為替が運んできたものでした。
言い換えると、「米国株が強かった」のではなく、「ドル資産を持っていたこと自体」がVYMリターンの半分を占めているということです。次の11年で「米国株を選ぶこと」と「ドル資産を持つこと」は分けて評価する必要があります。
そしてここが大事です。同じ円安が次の11年も続く保証はありません。USD/JPYが157円から180円までさらに進む可能性も、120円まで戻る可能性も両方あります。次の11年で米国株を円建てで持つ人が、私と同じ+100.6%を取れるとは限りません。
→ 旧NISA 10年で配当90万円を実現した銘柄構成と年次推移(VYM実績含む)
JTと青山商事:ふたつの意思決定の差
失点分析の3要因のうち、「損切り遅れ」は数値で約0.5〜1ptと小さく見えます。でもこれは口座全体の集計だからで、1銘柄単位で見ると私の意思決定そのものを示しているので、両極端の2銘柄で振り返らせてください。
JT(成功):配当を理由に持ち続けた決定
- 取得時期: 2014年頃(旧NISA枠で取得し直した分含む)
- 売却益: +376,930円
- 配当累計: 82,000円(旧NISA口座で受け取った分のみ)
- 合計貢献: 約+458,930円
JTは取得後、株価が下落する局面が何度もありました。2018〜2020年あたりは「タバコ事業の構造的衰退」のニュースが頻繁に出ていて、私もチャートだけを見ていたら下値で投げていたと思います。
それでも持ち続けられたのは、配当の安定性を信じたからです。「配当が続くかぎり、株価下落は受け取り続ける配当で時間とともに薄まる」という考え方を、JTという1銘柄が私に教えてくれました。最終的に売却益で+376,930円、配当で82,000円、合わせて約46万円の貢献。私の旧NISAで最大の成功です。
青山商事(失敗):買値で判断した決定
- 取得: 2017年に411,500円で購入(旧NISA枠)
- 売却: 150,540円で売却
- 売却損: -310,960円
- 配当累計: 44,000円(損失の14%しか回収できず)
青山商事は取得後、株価が200円台まで急落した時期がありました。本来そこが損切りラインだったはずです。でも私は買値(411,500円ぶんを取り戻す価格)を意識して、損切りできませんでした。
「410円台で買ったから、せめて300円台で戻ったら売ろう」と考え、戻りを待ち続けた結果、戻らずに売却して-310,960円の確定。これが旧NISA11年で最大の失敗です。
教訓:買値主義は致命的
JTと青山商事の差は、銘柄の良し悪しというより、保有理由が「配当の継続性」にあるか「買値で取り戻したい」にあるかの差でした。
- JT: 配当を理由に持ち続けた → 株価下落局面でも握れた → 最終的にプラスで売却
- 青山商事: 買値で取り戻したいから持ち続けた → 損切りタイミングを逃した → 最終的にマイナスで売却
買値は市場にとって何の意味もない数字です。市場はあなたが何円で買ったかを知りません。それなのに「買値を取り戻すまで売れない」と思った瞬間、損切りラインは実質的に消えます。これが11年やって一番痛感した教訓です。
→ 旧NISAで個別株投資に失敗した話|青山商事-31万円・JT+37万円含む統合版
11年で学んだ3つの教訓
楽天証券の取引履歴と現在の保有を全部並べ直して、改めて気づいたことがあります。
教訓1:配当は「非課税で受け取り続ける」だけで効く
旧NISAでよかったと一番感じるのは、80.7万円の配当が1円も税金で引かれていないことです。特定口座だったら約16.4万円が引かれていたので、その差はそのまま「税金を払わなかったぶんの配当」として残っています。
新NISAでも同じ構造で、高配当ETFや配当を出す投信を持っているだけで、20%課税の世界とは別ルートで複利が走ります。これは個別株で当てに行くタイプの利益と違って、「持ち続けるだけで毎年効果が出る」性質です。再現性という意味では、配当の非課税メリットが最強だと感じています。
教訓2:個別株は「配当だけ」で評価してはいけない
配当ランキング5位の青山商事は、株価で−310,960円の損失を出しています。配当44,000円は損失の14%しか回収できていません。「高配当だから安全」「下がっても配当でカバーできる」は、自分の口座の数字で見ると幻想だとはっきりわかります。
個別株を配当目的で持つなら、株価の下落幅も同じ重みで見積もること。これが11年やって腹落ちしたことです。
教訓3:コア×サテライトの比率を間違えると、個別株が悪いのではなく配分が悪い
失点分析でも書いたとおり、私の意思決定ミスのうち最大要因は「米国比率3.5%」でした。個別株を選んだこと自体が悪かったのではなく、コア(インデックス)×サテライト(個別株)の比率を間違えただけです。
理想形は、コア70〜90%をS&P500か全世界株で固め、サテライト10〜30%で個別株や高配当ETFを楽しむ形。私はサテライト100%で走ってしまいました。これを直せば、少なくとも今回のデータでは、意思決定の改善で+5pt前後の改善余地が確認できました。
この実績の再現性について(重要な但し書き)
ここまで読んでくださった方に、データの限界を正直に伝えます。
- サンプルが私一人の口座だけ
これは私個人の楽天証券・旧NISA口座1つの実績です。同じ期間・同じ銘柄を選んでも、買付タイミングや売却判断が違えばXIRRは数pt変わります。「平均的な投資家の成績」ではなく「Nが1の特殊事例」として読んでください。
- 2015〜2026年は強い追い風が吹いた特殊期間
この11年は以下の3つが揃った歴史的に恵まれた期間でした。
- 円安: USD/JPY 117円→157円(+33.6%)
- 米国株上昇: S&P500 +256.5%(USD建て)
- 日本株上昇: TOPIX +148.7%
次の11年でこの3つが同時に追い風として吹く保証はありません。過去のリターンは将来のリターンを保証しないという金融商品の決まり文句は、この11年だからこそ重く受け止めるべきです。
- 銘柄選択に「事後的なバイアス」がある
この記事で紹介している東京海上HD(+149.84%)・マブチモーター(+69.30%)・アニコムHD(+162.61%)は、結果として残った勝ち銘柄です。同時期に買って損切りした銘柄(青山商事・中北製作所など)は実績から差し引かれていますが、「うまくいった話」のほうが文章として書きやすいバイアスは避けられません。
私の旧NISAには「成功した個別株」と「失敗した個別株」が両方あって、ネットでXIRR 9.03%という意味です。勝ち銘柄だけを見て「自分も同じことをすれば9%取れる」と判断するのは危険です。
- 仮想シミュレーションも近似値
「同じキャッシュフローをS&P500(円換算)に投じたらXIRR 16.62%」は、各買付日の年初S&P500終値とその年のUSD/JPY平均で円換算した簡易計算です。日次の価格・為替の差や、配当再投資の税効果まで厳密に積んだ値ではありません。それでも「年率で7.5pt以上の差があった」という結論は変わりません。
なお、同一キャッシュフローでXIRR同士を比較しても 9.03% vs 18.69%(米国100%バックテスト)と大差がついており、期末一括投資で比較しても差は同方向です。「XIRR vs CAGR」という指標差で説明できる範囲は超えています。
これから旧NISAをロールオーバーする人へ
2024年以降、旧NISAは新規買付が終了しています。いま私の口座に残っているのは、過去に買って5年の非課税期間が終わったあと「特定口座にロールアウト済の分」と、まだ非課税期間中の保有分の組み合わせです。
ロールオーバーや売却タイミングで迷っている方に、私の判断軸を共有しておきます。
- 配当が安定して出ている銘柄・ETFは、非課税期間が切れる前に新NISAへ売却→買い直しを検討する(同じ枠を非課税で再活用できる)
- 株価が大きく含み損になっている個別株は、損切り判断を独立で行う(ロールオーバーするかどうかと、その株を持ち続けるかどうかは別問題。買値主義に陥らない)
- VYMのような長期保有ETFは、新NISAの成長投資枠で買い直すのが基本的に有利
私自身、2025年12月に旧NISAのVYM 28株を全売却(売却益+313,859円)し、新NISA成長投資枠で買い直す形で運用方針を切り替えました。
新NISA改正の全体像と、これから始める人向けの判断は別記事でまとめています。
→ 【2026年NISA改正まとめ】結局どうする?30代投資家の結論
まとめ:私の意思決定ミスを踏まえれば、年率12〜14%程度というシナリオも成立しえた(上振れケース)
数字で振り返るとこうなります。
- XIRR(年率内部収益率): 9.03%
- 配当合計:807,508円(全額非課税)
- 売却済み実現益:+1,159,933円
- 未売却保有の含み益:+852,612円
- トータル損益(実現+含み): +2,820,053円
- 同じキャッシュフローをS&P500(円換算)に流したシミュレーション: XIRR 16.62%(差-7.59pt)
11年の結論を1行で言います。
私のXIRR 9%は、米国比率3.5%・キャッシュ滞留・損切り遅れという意思決定ミスで -5pt前後を失った数字です(残り3〜4ptは米国株強さ+円安という市場環境そのもの)。バックテストで「米国比率30%にしていればXIRR 14.53%」が実数値として確認できました。
逆に言えば、
- 同期間の条件下では、意思決定ミスを回避すれば年率12〜14%程度というシナリオも成立しえた(あくまで上振れケースとして)
- 個別株を選ぶこと自体が悪いのではなく、コア(インデックス)×サテライト(個別株)の比率を間違えただけ
私が11年やって出した9%は、努力の上限ではなく「3つの意思決定ミスを残したままの数字」です。この失点を回避すれば9% → 12〜14%が上振れケースとして見える。これがデータから出た現実的な結論です(最強アセットとの比較である点はお忘れなく)。
私の失点を「再現せず」に投資を始めるための具体策
最後に、この記事を読んで「自分も投資を始めたい/続けたい」と思った方へ、3段階で道筋を示します。
ステップ1:意思決定ミス3つを仕組みで潰す
私の意思決定ミスは意志の力ではなく、仕組みで潰せます。
- 米国比率不足 → コアをS&P500か全世界株で厚めに固める(個別株を選ぶ前提でも、コアは必ずインデックス)
- 損切り遅れ → 「買値で判断しない」というルールを最初に書いておく(買値ではなく直近高値からのドローダウンで判断する等、自分のルールを決める)
- キャッシュ滞留 → 自動積立を設定する(毎月の積立金額を口座に滞留させない)
ステップ2:あなたはどのタイプか:3パターンの選択肢
私のデータが示す再現性の高い選択肢を、性格別に3つ示します。
パターンA:インデックス完全派(個別株は買わない)
- コア100%: S&P500または全世界株インデックス
- 期待年率(同期間ベース): 14〜16%
- メンタルコスト: 最小
- おすすめ: 「投資に時間をかけたくない」「分析は苦手」という方
パターンB:個別株継続派(私の失点だけ潰す)
- コア40-50%: S&P500/全世界株(私の失点を回避)
- サテライト50-60%: 個別株(高配当・成長など好みで)
- 期待年率(同期間ベース): 12〜14%
- おすすめ: 「個別株を選ぶ楽しさは捨てたくない」「企業分析が好き」という方
パターンC:ハイブリッド派(バランス型・推奨)
- コア70-90%: S&P500/全世界株
- サテライト10-30%: 米国高配当ETF(VYM等)+ 応援個別株
- 期待年率(同期間ベース): 13〜15%
- おすすめ: 「コアは堅実に、楽しみとして個別株も少し」という多くの人
私が11年やり直せるなら、パターンCで2015年からスタートしたいです。コアでインデックスを厚めに持っていれば米国株強さ+円安の追い風を取れたし、サテライトでJTや東京海上HDのような「持ち続けて報われた個別株」を楽しむこともできた。これが11年分のデータを並べ直して見えた、いちばん再現性のある形です。
パターンCを推す理由はシンプルで、リターン×再現性のバランスが取れているからです。コアでインデックスを厚めに持てばドローダウンの主因は世界株全体の下落に絞られ、個別株の銘柄ミスでメンタルが折れるリスクが減ります。私のように「個別株100%サテライト」だと、青山商事のような1銘柄で-31万円を食らった瞬間にメンタルが揺れて積立を止める誘惑に勝てません。年率の絶対値ではパターンA(インデックス100%)が最強ですが、11年やめずに続けられる確率まで含めるとパターンCが最も合理的です。
ただし、為替リスク(円安が止まる・反転するシナリオ)は念頭に置いてください。米国株100%は円高局面で大きく削られます。全世界株式(オール・カントリー)にしておくと、為替・地域分散の両方が効きます。
ステップ3:楽天証券でしか再現できない3つの強み
この記事と同じ分析を、あなた自身の口座で再現できますか? 答えは「証券会社による」です。年次サマリーしか出せない口座では、私のような11年×593件のXIRR計算は事実上不可能です。自分のXIRRを出せない人は、私と同じ「失点分析」自体ができません。だから「自分の口座で同じ振り返りをやりたい」と思った時点で、CSV出力の充実度で証券会社が選ばれることになります。
私が11年使い続けている楽天証券は、この記事の数字を確定させるために事実上必須でした。手動集計でも理屈上は可能ですが、593件のキャッシュフロー × 11年分を手作業で突き合わせるのは現実的ではありません。同じ分析をやるなら、楽天証券の3つの機能が決定的です。
- 配当・取引履歴の完全CSV出力(NISA口座/特定口座/外株口座/投信口座を別々にCSVで取得可能。この記事の593件のキャッシュフロー分析は、楽天証券のCSV出力機能なしでは不可能でした。他社では年次サマリーしか出せない口座も多く、XIRRを出すなら楽天証券一択)
- iSPEEDの取引履歴UI(実現損益・年次配当をその場で確認できる。スマホで売買から振り返りまで完結)
- 楽天ポイントで投信買付(S&P500インデックス投信もポイントで購入できる。コア戦略との相性が良く、現金を温存しながら積立を続けられる)
この記事の593件のキャッシュフロー分析は、楽天証券のCSV出力機能なしでは不可能でした。同じことをやりたいなら楽天証券一択。S&P500インデックスもオール・カントリーもVYMも、全部新NISAで買えます。
まだ口座を持っていない方は、開設は無料・10分程度で終わります。