投資歴10年超のHIKOです。2015年にNISAを始めて個別株を78銘柄まで買い集めた結果、その約98%が日本株という状態になっていました。この偏りを直すために積み立てているのが、オルカン(eMAXIS Slim 全世界株式・オール・カントリー)です。
この記事では、実際の保有データを開示しながら、なぜ私が全世界株を選んだのか、月いくらから始めればいいのかを順番に説明します。数字はすべて楽天証券の資産残高データ(2026年5月時点)から引いた実数値です。
オルカン積立の実績|投資元本280万円が369万円に(2026年5月時点)
まず私の保有状況を先に出します。
| 項目 | 実数値 |
|---|---|
| 保有口数 | 1,040,248口 |
| 取得単価 | 26,916.66円 |
| 基準価額 | 35,539円 |
| 投資元本 | 2,800,000円 |
| 評価額 | 3,696,937円 |
| 評価損益 | +896,937円(+32.03%) |
新NISAのつみたて投資枠で積み立てているぶんです。
あわせて、成長投資枠ではETFのMXS全世界株式(2559)も持っています。取得総額166,549円に対して評価額275,850円、評価損益は+109,301円(+65.62%)です(2026年6月時点)。
なおこの銘柄は2026年6月9日に受益権1口を10口とする再分割を行っているため、私の口座の表示も9株・平均取得価額18,505.55円から、90株・1,850.55円に変わりました。取得総額と評価額は変わっていません。分割前後の株数を混同しやすいので、記録を残しておきます。
念のため書いておくと、これは私がたまたま買い付けた時期の結果であって、将来の利回りを保証するものではありません。同じ商品を買っても、買った時期が違えば数字はまったく変わります。ここでお伝えしたいのは「増えた」ことではなく、後述する「日本株に偏りきったポートフォリオを、この積立で薄めている」という位置づけのほうです。
オルカン積立を始めた理由|個別株78銘柄の98%が日本株でした
私が全世界株を積み立てている一番の理由は、精神論でも流行でもありません。自分のポートフォリオが日本に偏りすぎていたからです。
ここは「何を分母にするか」で数字がまるで変わるので、2通りに分けて書きます。
| 見る範囲 | 日本の比率 |
|---|---|
| 買い集めた個別株78銘柄だけで見た場合 | 約98% |
| オルカン・企業型DC・海外ETFを含めた資産全体で見た場合 | 79.5% |
10年超かけて買い集めた個別株は78銘柄まで増えましたが、そのうち海外に分類できるのは海外ETFと米国株がわずかにあるだけで、残りの約98%は日本株です。個別株だけを見ているかぎり、地域分散はほぼ存在しません。
一方で、資産全体で見た日本比率は79.5%まで下がっています。この差を作っているのが、この記事で公開しているオルカンの積立と企業型DCです。「偏っている」のは事実ですが、偏りは実際に薄まりつつあるというのが正確なところです。
日本株が悪いという話ではありません。私は今も配当目的で日本株を持ち続けています。ただ、住んでいる国も、給料をもらう通貨も、資産の中身も全部が日本円に紐づいている状態は、リスクの置き方として明らかに片寄っています。日本経済が停滞した局面では、給与・資産・生活コストの全部が同じ方向に殴られることになります。
この偏りを、個別株を売らずに直せる手段がオルカンの積立でした。既存の日本株を売れば含み益に課税されますし、配当も止まります。それなら新しく入れるお金だけを全世界株に振り向けて、時間をかけて比率を薄めていくほうが現実的です。
オルカンは「増やす商品」である前に、私にとっては「偏りを直す道具」です。ここが、この記事でいちばん伝えたい部分です。
個別株で失敗した10年|「買える金額」で銘柄を選んでいた
インデックス積立に行き着いたもう一つの理由は、単純に個別株で失敗を積み上げたからです。
2015年に初めて買った単元株はコナカ(7494)でした。738円×100株です。選んだ理由は、業績でも財務でもなく「優待が欲しかった」「その時の資金で買えた」の2つだけでした。当時の私は年収300万円台で、10万円以下で買える銘柄というだけで選択肢が絞られていたのです。結果は9年5ヶ月の塩漬けで、2024年11月26日に旧NISAの非課税期間終了に合わせて247円で売却し、同じ日に特定口座で248円で買い戻すクロス取引をしました。実質的には今も持ち続けています。
最大の失敗は青山商事です。2017年1月に4,115円×100株で買い、2020年7月に売却して-310,960円を確定させました。
一方で、旧NISAの10年で受け取った配当は累計約90万円(904,551円)ありました。個別株がすべて無駄だったとは思っていません。ただ、10年超やってはっきりしたのは「私は銘柄選びで安定的に勝てるタイプではない」という現実です。
そこで出した結論は、個別株をやめることではなく、役割を分けることでした。配当を受け取る部分は個別株で続け、資産全体の地域バランスを整える部分は、銘柄を選ばなくて済むオルカンに任せる。この分担にしてから、どこで迷えばいいのかがはっきりしました。
- 失敗の詳細はこちら: 個別株の失敗談|旧NISA11年の年別損益と、青山商事-31万円で学んだこと
- 配当の実績はこちら: 旧NISA 10年で配当90万円を実現した銘柄構成と年次推移【楽天証券CSVを元に集計】
オルカンとは|世界47カ国の株式に分散する投資信託
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)、通称「オルカン」は、先進国と新興国あわせて約47カ国の株式にまとめて投資できる投資信託です。三菱UFJアセットマネジメントが運用しています。構成銘柄数は2,414銘柄、純資産総額は13兆157億円で、国別ではアメリカが63.1%を占めます(2026年7月31日現在。出典: 三菱UFJアセットマネジメント月次レポート・2026年8月13日確認)。銘柄数は指数の定期見直しで増減するので、あくまで確認時点の数字として見てください。
アメリカのApple、日本のトヨタといった世界を代表する企業を、1本でまとめて保有できるイメージです。
信託報酬は年率0.05775%(税込・税抜0.0525%)以内。100万円分を1年持って、運用会社に払うコストが約578円という水準です。私が2015年に買っていたような投信の信託報酬と比べると、桁が違います。
S&P500はeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の数値です。信託報酬は年率0.08140%(税抜 年率0.07400%)以内で、純資産総額に応じて逓減します(出典: 交付目論見書・2026年7月25日版/2026年8月13日確認)。
オルカンとS&P500の違い|なぜ全世界株を選ぶのか
S&P500(米国500社のインデックス)も優秀な選択肢です。過去20年の成績で言えば、むしろ米国株のほうが強かったのは事実です。
それでも私が全世界を選んでいるのは、S&P500を選ぶと「これから先もアメリカが世界をリードし続ける」という前提を自分で背負うことになるからです。
過去100年を振り返れば、経済の中心は移り変わってきました。次の20〜30年にアメリカが同じポジションを保てるかどうかは、私にはわかりません。わからないものを予想して比率を決めるより、全部持っておくほうが自分には合っている、という判断です。
以下は、私が全世界株を選ぶときに置いている3つの根拠です。
根拠1:市場効率性|どの国が伸びるかは事前にわからない
現代の金融市場では、世界中のプロが情報をリアルタイムで価格に織り込んでいます。個人が「米国の次はここが来る」と考えて比率を変えても、その材料はすでに株価に反映されている可能性が高いです。
予想が当たる前提を持たなくていい設計、それが「全部持つ」という戦略の意味です。
根拠2:リバランス不要|自分で売買判断をしなくていい
オルカンは各国の時価総額比率に従って中身のウェイトが調整されていきます。米国が伸びれば自然に米国比率が上がり、新興国が伸びれば新興国比率が上がります。
自分で「比率が高くなったから売って、あちらを買い増そう」と判断する必要がありません。売買しないことは、コストの面でも、感情的な判断ミスを避ける意味でも、長期投資では大きな利点になります。個別株で何度も判断を誤ってきた私にとっては、ここが一番効いています。
根拠3:通貨分散|円だけで資産を持つ状態から抜けられる
日本に住んで日本円で給料を受け取っている以上、放っておくと資産も生活も円建てに集中します。オルカンは米ドル・ユーロなど世界中の通貨建て資産を間接的に持つことになるため、円の価値が下がる局面での備えになります。
冒頭に書いた「個別株の98%が日本株」という問題に、そのまま効いてくるのがこの分散です。
オルカン積立は月いくらから?|月1万円・3万円の20年試算
初心者が一番迷うところです。結論から言うと、生活費を圧迫しない範囲であればいくらでも構いません。
考え方の目安として、年率5%で20年間積み立てた場合の概算を置いておきます。
| 月額 | 年間投資額 | 20年後(年率5%と仮定した場合の概算) |
|---|---|---|
| 1,000円 | 12,000円 | 約41万円 |
| 10,000円 | 120,000円 | 約411万円 |
| 30,000円 | 360,000円 | 約1,233万円 |
これは一定の利回りを置いた単純計算です。実際の運用成績は年ごとに大きく変動し、元本割れの可能性もあります。将来この金額になることを示すものではありません。
数字を見ると、月1,000円でも複利の形にはなりますが、老後資金という観点では効果は限定的です。可能であれば月1万円以上、余裕があれば月3万円が一つの目安になります。
ただし「無理して3万円」より「余裕で1万円」のほうが続きます。積立で結果を左右するのは金額より継続年数です。まず継続できる金額から始めて、収入が上がったら引き上げるほうが現実的だと私は考えています。
オルカンと新NISAの組み合わせ方|つみたて投資枠で埋める
2024年から始まった新NISAでは、投資で得た利益が非課税になります。
- つみたて投資枠:年間120万円まで
- 成長投資枠:年間240万円まで
- 生涯非課税枠:合計1,800万円
オルカンはつみたて投資枠の対象商品です。私の場合、2026年分のNISA枠は両方とも使い切っており、つみたて投資枠はオルカンの積立、成長投資枠は配当目的の個別株とETFに充てています。
個別株をやめてインデックスに一本化したわけではありません。枠ごとに役割を決めて使い分けている、というのが実態です。ただし、オルカンの積立だけは相場がどうであれ止めない、という一線は決めています。
2026年にはNISA制度の改正も動いています。ただ、改正があってもオルカンを積み立てるという結論は変わりません。改正の中身はこちらにまとめています。→ 【2026年NISA改正まとめ】結局どうする?30代投資家の結論
オルカン積立の始め方3ステップ
ステップ1:ネット証券に口座を開く
楽天証券かSBI証券であれば大きな差はありません。どちらも口座開設・維持費用は無料で、スマホから10〜15分程度で申し込めます。私が10年超使っているのは楽天証券です。
ステップ2:新NISAのつみたて投資枠でオルカンを設定する
口座開設後、つみたて投資枠を選び、「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」を検索して、月額と積立日を設定します。似た名前のファンドが複数あるので、正式名称で確認してください。
ステップ3:放置する
設定が終われば、毎月自動で買い付けが行われます。相場が下がった局面で売らずに続けられるかどうかが、実質的に唯一の難所です。
オルカン積立のよくある疑問
Q. 今から始めても遅くないですか。
A. 複利は期間が長いほど効くので、始めるタイミングは早いほうが有利という一般論は成り立ちます。ただ「遅い・早い」を気にするより、今の家計で無理なく続けられる金額を決めるほうが先だと私は考えています。
Q. 元本割れしませんか。
A. 投資である以上、元本割れのリスクはあります。私自身も個別株では-310,960円の確定損を出しています。長期で見れば世界株式インデックスは過去プラスで推移してきましたが、それは将来を保証するものではありません。値下がりしても生活が回る金額に抑えることが前提です。
Q. 100円から始められますか。
A. 楽天証券・SBI証券とも100円から積立設定ができます。まずは少額で仕組みを体験してみる、という入り方でも問題ありません。
Q. オルカンとS&P500、両方持ってもいいですか。
A. 両方持つと中身の米国株が重複します。悪いとまでは言いませんが、比率を自分で管理する手間が増えます。管理を単純に保ちたいなら、どちらか1本に決めるほうが続けやすいというのが私の考えです。
まとめ
- 私のオルカン積立は、投資元本280万円に対して評価額3,696,937円・評価損益+896,937円(2026年5月時点の実数値)
- 積み立てている一番の理由は、個別株78銘柄の約98%が日本株という偏りを是正するため。オルカンと企業型DCを含めた資産全体では日本79.5%まで下がっている
- 個別株では「買える金額で選ぶ」失敗を重ね、青山商事で-310,960円を確定させた経験がある
- 個別株をやめたのではなく、配当は個別株・地域分散はオルカンという役割分担にした
- S&P500ではなく全世界を選ぶのは、市場効率性・リバランス不要・通貨分散の3点から
- 金額より継続年数が効くので、まずは無理なく続けられる金額から
設定作業そのものは10分ほどで終わります。始めるかどうか、いくらから始めるかは、ご自身の家計状況とリスク許容度に合わせて判断してください。
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※本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の取得・売却を推奨するものではありません。記載の保有データは2026年5月時点の実数値で、その後の相場変動により変わります。投資にはリスクが伴いますので、最終的なご判断はご自身の責任でお願いします。