結論:2026年のNISA改正、ほとんどの人にとってやることは変わりません
いきなりですが結論です。
今やることは、基本的に変わりません。
- 月1〜3万円を積み立てる
- 全世界株(オルカン)1本
- そのまま放置
これだけです。
この記事は主に、こういう方に向けて書いています。
- 貯金はあるけど、投資はまだ始めていない
- NISAのことは気になっているけど、なんとなく放置している
- 「2026年に改正があるらしいから、そのタイミングで始めようかな」と思っている
「2026年に制度が変わるなら待った方がいいのでは?」という考えは理解できます。ただ、その判断が一番損をします。
理由はシンプルで、投資は「どれだけ早く・長く続けたか」で結果が大きく変わるからです。
「2026年にNISAがまた変わる」という話、SNSやニュースで見た方も多いと思います。ただ正直に言うと、この記事を書いている2026年4月時点では、まだ「検討中」の情報が多いです。
断定気味に「こう変わります!」と書いてある記事もありますが、制度の詳細は税制改正大綱・法案が確定して初めて正式決定します。今の段階で全部を確定事実として読むのは危険なので、「現時点で何が議論されているか」と「自分がどう判断するか」を分けて書きます。
投資歴11年(2015年NISAスタート)・保険業界10年経験・FP2級保有のHIKOが、30代目線でまとめました。
現時点での整理:確定 vs 検討中
まず情報の確度を整理します。
| 変更点 | 確度 |
|---|---|
| こどもNISA(0〜17歳が使えるつみたて枠) | 検討中(2027年開始案あり) |
| 非課税枠の復活を「時価」ベースに変更 | 検討中(詳細未確定) |
| 投資対象に債券型ファンドを追加 | 検討中 |
全部「検討中」です。
※現時点では正式決定ではありませんが、「こどもNISAの新設」「非課税枠復活ルールの見直し」などが議論されています。
これが現実です。議論は進んでいますが、法律として確定したわけではありません。SNSで「確実に変わる」と断言している情報は、少し距離を置いて読むことをおすすめします。
① こどもNISA(案)について──子なし30代の正直な意見
検討されている内容はこうです。
- 0歳〜17歳が「つみたて投資枠」を利用可能(案)
- 年間上限:60万円(案)
- 生涯非課税枠:600万円(案)
- 2027年1月開始予定(案)
子育て世代には大きいが、優先度は人による
私自身は子どもがいないので直接の関係はないのですが、子育て世代の方には潜在的に大きいと思います。
ただし「優先度が高いか」は家庭次第です。
- 大学費用まで15年以上ある → 積立の恩恵は大きい
- 数年以内に教育費が必要 → 短期の積立は元本割れリスクがある
- 自分たち夫婦のNISA枠を使い切れていない → まずそちらを先に埋めるべき
「子どものためにNISA」は聞こえがいいですが、親のNISA枠を全部使い切ってから考えるものだと私は思います。子どものNISAを焦って開設する前に、自分自身の年間360万円枠を埋め切れているかを先に確認してください。
② 非課税枠が「時価」ベースで復活(案)──長期積立民にはほぼ関係ない
現行のNISA制度では、売却した分の取得額(買った値段)が翌年に復活します。
改正案では、売却時の時価(実際に受け取った金額)が翌年に復活する方向で議論されています。
具体例
- 10万円で買った投資信託が15万円になった時点で売却
- 現行:翌年に10万円分の枠が復活
- 改正案:翌年に15万円分の枠が復活
長期積立民には正直あまり関係ない
「値上がりした商品を売って別の商品に乗り換える」、つまりリバランス目的で売買する人には恩恵があります。
でも「オルカン一本で淡々と積み立てるだけ」の層には、売却自体をあまりしないのでほぼ関係がないです。
むしろ「枠が多く戻るなら売ってもいいか」という気の緩みの方が心配です。長期投資では、不要な売買や感情的な判断がリターンを下げる要因になります。私は15万円になった投資信託を売る理由がないので、この改正が直接行動に影響することはないと思っています。
③ 投資対象に債券型ファンドが追加(案)──選択肢が増えると迷う人が増える
つみたて投資枠の対象に、債券を多く含むファンドが追加される方向が議論されています。
正直、迷う人が増えるだけじゃないかと思っています
「選択肢が増える=良いこと」と言いたいところですが、私はそう思っていません。
NISAの最大のメリットは「長期・分散・低コスト」の組み合わせです。全世界株式インデックス(オルカン)一本で、これが完結します。
そこに債券型が加わると「株と債券、どっちにしよう」「比率は?」という悩みが生まれます。でも投資を始めたばかりの人が最初に考えるべきことは、商品選びより「続けること」です。
選択肢が増えたことで「もう少し考えてから始めよう」と先延ばしにする人が出てくるのが、一番もったいないと感じます。
なぜオルカン1本でいいのか
ここまで読んで「でもS&P500の方がいいのでは?」「日本株は入れなくていい?」と思った方もいると思います。
結論はシンプルです。
オルカンは"すでに分散が完成している"から、他に何も足す必要がないのです。
- 米国(約60%)
- 先進国(欧州・日本など)
- 新興国
これがすべて自動で含まれています。つまり、
- 国の選び方を考える → 不要
- 商品の乗り換えタイミングを判断する → 不要
- 将来の経済予測をする → 不要
「考えなくていい設計」だから続く。 これがオルカン最大のメリットです。
オルカンを選ぶ3つの根拠
- 市場効率性:「どの国が伸びるか」は誰にもわからない
現代の金融市場は、プロの機関投資家が世界中の情報をリアルタイムで織り込んでいます。個人が「米国の次はインドが来る」と予測して比率を変えても、その情報はすでに価格に反映されている可能性が高いです。だから「全部持つ」という戦略が合理的なのです。
- リバランス不要:売買しなくていい
オルカンは、各国の時価総額比率に従って自動的にウェイトが調整されます。つまり米国株が伸びれば自然に米国比率が上がり、新興国が伸びれば新興国比率が上がります。自分で「今の比率が高いから売って、あちらを買い増そう」という判断は一切不要です。
売買しないことは、コストを抑える意味でも、感情的な判断ミスを防ぐ意味でも、長期投資において大きなアドバンテージになります。
- 通貨分散:円だけで資産を持つリスクを分散できる
日本円は円安・インフレのリスクがあります。オルカンは米ドル・ユーロ・英ポンドなど世界中の通貨建て資産を保有することになるため、円の価値が下がっても資産全体への影響を分散できます。日本に住んでいる私たちには特に意味のある分散です。
S&P500が気になる方へ:確かに過去20年は米国株が圧倒していますが、それが今後も続くかどうかは誰にもわかりません。「どこが伸びるかわからないから全部持つ」がオルカンの発想です。迷ったまま始められないより、オルカンで今日から始める方が合理的です。
オルカン積立の始め方・仕組みについて詳しく知りたい方はこちら:オルカン積み立て、30代が今すぐ始めるべき理由【新NISA対応】
なぜ「今」始めるべきか
「改正の確定を待ってから動こう」という気持ちはわかります。ただ、待つことにはコストがあります。
以下は月3万円を年利5%で積立した場合の概算です(年利5%・月3万円積立の概算。元本保証ではありません)。
- 1ヶ月遅れるだけで → 約1,500円の機会損失
- 1年遅れると → 約2万円の差
- 5年遅れると → 約30万円以上の差
複利は早く始めた人ほど、長く続けた人ほど効きます。「検討している時間」そのものが損失です。
制度改正を待つより、1ヶ月でも早く始める方が数字として合理的です。
私が旧NISAから新NISAへどう動いたか(自分の枠の使い方)
「制度改正で自分はどう動いたか」を、当事者の実体験として書いておきます。2024年の新NISAスタート時に、私は旧NISA口座と新NISA口座の両方を持つ状態になりました。
旧NISA口座は「ロールオーバー終了→特定口座へ移管」
旧NISA(2015〜2023年購入分)は、それぞれ購入から5年経過すると非課税期間が終了します。当時は「ロールオーバー(翌年の非課税枠に再度乗せ替え)」という選択肢がありましたが、新NISAスタートに伴い旧NISAのロールオーバーは終了。期限切れになった銘柄は順次、特定口座へ移管されました。
私の旧NISAは2015年からスタートしたので、コナカ(7494)など最古の銘柄はすでに特定口座に移管済みです。移管時の取得単価は「移管時の時価」になるため、含み損が出ている銘柄は税務上の取得単価が下がる(=将来売却時の譲渡益が大きく見える)という影響があります。
これは制度上の処理なので、自分で何かするわけではありません。証券会社が機械的に処理してくれます。
新NISA口座は「オルカン月10万円積立」に絞った
新NISA口座では、つみたて投資枠と成長投資枠の両方を使える設計になっています。私は2024年のスタート時に「もう銘柄選びはしない」と決めて、オルカン(eMAXIS Slim 全世界株式)の月10万円積立に絞りました。
旧NISA時代は個別株も毎月分配型投信もVYMも全部試して、配当合計90万円を稼ぐ一方で青山商事−31万円・中北製作所−10.6万円という失敗もしました。新NISAでは「銘柄選びをしない」「タイミングを計らない」「シンプルに続ける」の3原則だけを守る設計に切り替えました。
成長投資枠もオルカン1本でいいと思っていますが、過去に持っていたVYMの再買い付けは選択肢として残しています。ただ「迷ったらオルカンで埋める」という判断軸を変えるつもりはありません。
個別株の保有はこれ以上増やさない
旧NISAで買ったコナカ(7494)など特定口座に移管された個別株は、当面は保有継続です。売却すると含み損が確定するので、配当を受け取りながら塩漬けという判断です。ただし新NISA枠で新しい個別株を買うつもりはありません。「個別株は失敗の母数が多すぎた」が10年やった結論なので、新NISA枠ではインデックスに集中します。
2026年改正後も方針は変わらない
冒頭で書いた通り、2026年の改正案(こどもNISA、時価ベースの枠復活、債券型ファンド追加)は、私の運用方針に直接の変更を強いるものではありません。
私の場合:
- こどもNISA:子どもがいないので関係なし
- 時価ベースの枠復活:オルカンを売る予定がないので関係なし
- 債券型ファンド:オルカン1本で完結しているので追加する予定なし
「制度改正に合わせて運用方針を変える」のは、長期投資の本質と逆行します。改正があっても続ける、改正がなくても続ける、それが10年やってきて辿り着いた答えです。
結局、今やることは何も変わらない
今すぐやること
- NISA口座をまだ開設していない人
SBI証券か楽天証券のどちらかでOKです。正直どちらでも大差はありませんが、迷うなら以下を参考にしてください。
- ポイント重視なら → 楽天証券
- 投信ラインナップ重視なら → SBI証券
このどちらかで迷うくらいなら、今すぐ開設した方が得です。開設自体は無料・15分程度でできます。
3社を詳しく比較したい方はこちら:楽天証券と松井証券を比較【30代投資家が11年使って正直比較|SBI証券も】
「電話で相談しながら始めたい」「ネット完結に不安がある」という方は、サポート重視の松井証券も選択肢に入ります。新NISAの成長投資枠でも日本株・米国株・投信すべて手数料0円で、HDI格付け15年連続三つ星のサポートが付きます。
- すでに積立している人
そのまま続けてください。改正の動向を毎月追う必要はありません。
- こどもNISAが気になる人
2026年末〜2027年初に確定情報が出てから動けばOKです。今焦る必要はありません。
やらなくていいこと
- 「改正前に急いで売却しよう」 → 不要。長期積立は何も変わらない
- 「改正内容を全部把握してから投資しよう」 → 待てば待つほど機会損失
- 「SNSで流れてくる情報を全部信じる」 → 検討中の情報が多い。出典と確度を確認する癖をつけてください
まとめ
2026年のNISA改正は、まだ大半が検討中・議論中の段階です。
ニュースやSNSで「確実に変わります!」という断言情報が流れていますが、正式な法改正が決まるまで鵜呑みにしないことが大切です。
今やるべきことは一つ:自分のNISA枠を毎月コツコツ積み立て続けること。
改正の恩恵は、続けている人が一番受けられます。
迷っているなら、まずは月1万円でいいので始めてください。投資は「完璧に理解してからやるもの」ではなく、「やりながら理解していくもの」です。
※ 本記事の内容は2026年4月時点の公開情報・議論をもとにしています。制度の詳細は今後の税制改正大綱・法案により変更になる場合があります。最新情報は金融庁の公式サイトをご確認ください。
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