2026年5月2日時点で楽天証券にある個別株73銘柄、評価額の合計は21,937,150円でした。取得元本は18,131,316円、含み益は+3,805,832円(+21.0%)です。投資歴11年(2015年スタート)の積み上げ結果を業界別・成績別に並べてみたところ、TOPIX全体の業種比率とはかなり違う、自分らしい偏りが浮かび上がってきました。今回はそのポートフォリオを正直に晒しつつ、なぜこの業界配分になったのかを過去の失敗と一緒に振り返ります。

平成時代を生きた30代、川崎市在住の会社員HIKOです。投資歴11年・FP2級・コナカ株(738円購入)を今も塩漬けで保有中、青山商事ではマイナス31万円を確定させた実績つき。等身大の数字でいきます。


個別株ポートフォリオの投資成績

業界別の話に入る前に、まず「このポートフォリオは結局どれくらいの成績なのか」を先に出しておきます。

取得元本と含み益

楽天証券CSVから現保有73銘柄を集計した結果がこちらです。

項目
取得元本(73銘柄合計)18,131,316円
評価額(2026-05-02時点)21,937,150円
含み損益+3,805,832円
含み益率+21.0%

加えて、すでに売却済の主な実現損益は次の通りです。

銘柄確定損益
JT(日本たばこ産業)+376,930円
青山商事−310,960円

JTの成功と青山商事の失敗がほぼ相殺されているのが、私の売買実績の正直なところです。「個別株でホームランを当てた人」ではなく、「ホームランと三振を同じくらい打って、残った打席で配当を地道に拾ってきた人」というのが等身大の自己認識です。

含み益TOP9

含み益額の大きい順に並べたものです。長年保有してきた銘柄が並びます(自社持株会保有銘柄など、勤務先が特定されうる銘柄は表示から除外しています)。

順位銘柄含み益(円)
1東京海上HD+425,400
2木徳神糧+367,500
3ビジネスブレイン太田昭和+325,800
4王子HD+249,700
5マブチモーター+245,700
6KDDI+225,800
7大阪有機化学工業+218,100
8INPEX+213,000
9ユニバーサル園芸社+198,400

東京海上HD・木徳神糧・KDDI・マブチモーターあたりは旧NISA時代から保有していて、含み益と配当の両方を稼いでくれている主力です。

含み損ワースト5

逆に、足を引っ張っている銘柄も正直に出します。

順位銘柄含み損(円)
1住友林業−117,349
2マックスバリュ東海−44,500
3伊藤ハム米久HD−40,900
4ジャックス−35,000
5和田興産−26,300

住友林業はコロナ後の住宅市況の見通しを楽観しすぎた銘柄です。加えて、米国住宅事業を軸とした海外M&Aに対して、買収コスト・統合リスク・米国住宅市況への懸念といったネガティブ予想が市場で広がり、株価がさらに下落した経緯もあります。マックスバリュ東海・伊藤ハム米久HDは食品スーパー・加工肉のディフェンシブ枠として持っていますが、ここ数年の原材料高で利益率が圧迫され続けていて、含み損を消化できていません。

勝ち銘柄/負け銘柄の共通点

TOP10とワースト5を眺めていると、銘柄選定そのものよりも「どう持ったか」のほうに共通点が出ているのが見えてきます。

勝ち銘柄(含み益TOP10)の共通点

  • 旧NISA時代(2015〜2019年頃)に買って、5年以上ホールドできた銘柄が多いです。東京海上HD・木徳神糧・マブチモーター・KDDI・王子HDは全て旧NISA期からの主力で、時間が含み益を作ってくれました
  • 連続増配または安定配当の企業がほとんどです。東京海上HD・KDDI・マブチモーターは長期で増配を続けており、INPEXも資源価格連動で減配を経たあと復配しています
  • 業界トップシェアまたはニッチトップが多いです。マブチはモーター、ナカニシは歯科切削、ユニバーサル園芸社はレンタルグリーン、王子は段ボールと、それぞれの業界で代替の効きにくい立ち位置にいます
  • 共通項を一言にまとめると、「長く握れた・配当が出続けた・事業がシンプル」の3点が揃っている銘柄ばかりです

負け銘柄(含み損ワースト5)の共通点

  • コロナ後の住宅市況や原材料高の影響を強く受ける、景気敏感な業界に集中しています(住友林業=住宅、伊藤ハム米久HD=加工肉、マックスバリュ東海=食品スーパー)
  • 「割安だから」で買い増しを躊躇したまま含み損を放置している銘柄が多いです。ジャックス・和田興産は典型例で、PERだけ見れば割安ですが、買い増し判断もできず、損切り判断もできずにいます
  • ナンピンも損切りもしないで時間経過に任せているのが正直なところで、「方針として保有」というより「動かしていないだけ」に近い状態です
  • 共通項を一言にまとめると、「景気敏感×ナンピンも損切りもしない放置」という形になっています

こうして並べてみると、勝ち負けの差は銘柄選定の上手さよりも、保有期間と業界感応度に大きく依存していることが分かります。同じ私が選んだ銘柄でも、5年握れた銘柄は勝ち、景気敏感な業界で握り続けた銘柄は負けています。

CAGR/年率リターンについての正直な注記

「11年で+21%の含み益なら年率は何%?」という疑問が当然出ると思います。ここは誠実に書きます。

各銘柄の取得時期は2015年から2026年まで11年間にわたってバラバラで、銘柄ごとに買い増しや一部売却もしています。全体を1本のIRR(内部収益率)で厳密に算出するための約定単位データを、私は手元で整理しきれていません。なので、ここではあくまで参考値として、

  • 73銘柄の平均保有期間を仮に5年と置いた場合: 年率約3.9%(複利・配当除く)
  • 平均保有期間を7年と置いた場合: 年率約2.8%(複利・配当除く)

という幅で示しておきます。これは「キャピタル(値上がり益)部分のみ」の概算で、配当は含まれていません。後述する旧NISA配当も含めれば、トータルリターンはこれより数pt上振れします。

繰り返しますが、この数字は厳密なIRRではありません。「11年保有してきた個別株ポートフォリオのキャピタル部分の年率は、おおむね3〜4%レンジ」くらいの感覚として読んでください。

実効配当利回りの試算

旧NISA口座で2015〜2024年の10年間に受け取った配当の税引後合計は904,551円でした。これを「平均運用額」で割れば実効配当利回り(手取りベース)が概算できます。

ただし、年次の運用額(口座残高ベースの平均)を私は手元で正確に整理していません。代わりに、旧NISAの非課税枠の構造から幅で示します。

  • 旧NISA枠は2014〜2015年が年100万円、2016〜2023年が年120万円
  • 毎年ほぼ枠を使い切ったので、累計入金額(簿価ベース)は約1,150万円
  • 10年間の平均運用額は、口座開設初期は少なく、後半に向けて増えるため、ざっくり500万〜1,000万円のレンジと仮置き

この前提で、旧NISA口座の実効配当利回り(税引後・年率)は

  • 平均運用額500万円と仮置き → 年率約1.81%
  • 平均運用額750万円と仮置き → 年率約1.21%
  • 平均運用額1,000万円と仮置き → 年率約0.91%

の範囲に収まります。「税引後で年率おおむね1〜1.8%」というのが、私の旧NISA配当の素直な実力値です。税引前に戻せば概ね年率1.2〜2.3%相当で、「高配当」と胸を張るほどではないが、長期で受け取り続けるには十分な水準だと感じています。

旧NISA配当の年次推移と銘柄別の貢献度はこちらの記事に詳しく書いています。

旧NISA 10年で配当90万円を実現した銘柄構成と年次推移


個別株ポートフォリオの全体像

ここから業界構成の話に入ります。ETF・REIT・投信を除いた個別株のみの数字です。

項目
銘柄数73銘柄
取得元本18,131,316円
評価額合計21,937,150円
集計時点2026年5月2日
データソース楽天証券 保有銘柄CSV

別枠で持っている資産はこちらです。

区分評価額
国内ETF416,152円
国内REIT(3269 アドバンス・レジデンス)322,000円
米国ETF(SPYM、HYG)52,540円
投資信託(オルカン+S&P500)3,698,537円

楽天証券の口座全体の評価額は26,426,379円(約2,643万円)です。内訳は個別株21,937,150円+上記4区分の合計4,489,229円。本記事ではこのうち個別株73銘柄(21,937,150円)の中身にフォーカスします。


業界別ランキング:トップは情報・通信で18.2%

73銘柄を12業界に分類して集計しました。

順位業界銘柄数評価額(円)構成比
1情報・通信/ITサービス183,997,05018.2%
2不動産・建設・住宅92,934,65013.4%
3化学・素材・パルプ紙92,851,80013.0%
4食品・農業62,823,70012.9%
5金融・保険72,391,95010.9%
6機械・精密機器71,970,6009.0%
7小売・卸売61,796,1008.2%
8その他サービス41,363,6006.2%
9医薬品2578,4002.6%
10その他製造(家具・繊維)2414,8001.9%
11鉱業・エネルギー1411,8001.9%
12運輸・倉庫2402,7001.8%

可視化するとこうなります。

個別株ポートフォリオ 業界別構成比(%)
  • 情報通信 18.2%
  • 不動産建設 13.4%
  • 化学素材 13.0%
  • 食品農業 12.9%
  • 金融保険 10.9%
  • 機械精密 9.0%
  • 小売卸売 8.2%
  • その他サービス 6.2%
  • 医薬品 2.6%
  • その他製造 1.9%
  • 鉱業エネルギー 1.9%
  • 運輸倉庫 1.8%
楽天証券保有銘柄CSV(2026-05-02時点)から個別株73銘柄を業界別に集計。ETF・REIT・投信は除外。

上位5業界(情報通信・不動産・化学・食品・金融)で全体の68.4%を占めています。一方で運輸・エネルギー・医薬品は合計でも6%程度しかなく、業界の偏りはかなり大きいことがわかります。


業界別リターン寄与:稼ぎ頭は情報通信・化学・金融、足を引っ張ったのは不動産

構成比だけ見ても「どの業界がリターンを稼いでくれたか」は分かりません。そこで、業界ごとに取得元本・含み損益・含み益率・全体寄与度を集計してみました。これをやると、「自分が好きで厚く持っている業界」と「実際にリターンを稼いだ業界」がズレていることがはっきり見えてきます。

順位業界銘柄数取得元本(円)含み損益(円)含み益率全体への寄与
1情報・通信/IT183,282,620+714,430+21.8%18.8%
2化学・素材・パルプ紙92,191,018+660,781+30.2%17.4%
3金融・保険71,759,050+632,900+36.0%16.6%
4機械・精密機器71,436,060+534,540+37.2%14.1%
5食品・農業62,393,160+430,540+18.0%11.3%
6鉱業・エネルギー1198,800+213,000+107.1%5.6%
7小売・卸売61,620,050+176,050+10.9%4.6%
8不動産・建設・住宅92,792,778+141,871+5.1%3.7%
9運輸・倉庫2273,600+129,100+47.2%3.4%
10医薬品2506,190+72,210+14.3%1.9%
11その他サービス41,296,190+67,410+5.2%1.8%
12その他製造2381,800+33,000+8.6%0.9%
合計7318,131,316+3,805,832+21.0%100.0%

含み益率と全体寄与シェアを合わせて可視化するとこうなります。

業界別 含み益率(%)
107.1%
鉱業エネルギー
47.2%
運輸倉庫
37.2%
機械精密
36.0%
金融保険
30.2%
化学素材
21.8%
情報通信
18.0%
食品農業
14.3%
医薬品
10.9%
小売卸売
8.6%
その他製造
5.2%
その他サービス
5.1%
不動産建設
業界ごとの取得元本に対する含み益率。INPEX1銘柄の鉱業エネルギーが+107%で突出する一方、不動産建設は最大級のポジションサイズなのに+5.1%にとどまる。

このテーブルから読み取れたことを4つ書きます。

  • 意外な勝ち頭は「化学・素材・金融・機械精密」:いずれも含み益率30%超で、ポートフォリオ全体の稼ぎ頭になっています。配当目当てで買った王子HD・東京海上HD・マブチモーターあたりが、配当だけでなくキャピタルでもしっかり勝っていた、という構図でした。「高配当株は値上がりしない」と言われがちですが、少なくとも私のポートフォリオに限っては、配当狙いで選んだ銘柄群がキャピタルでも一番伸びています
  • INPEX1銘柄で含み益率+107%:鉱業・エネルギー業界はINPEXしか持っていないのですが、原油高の追い風を受けて1銘柄だけで全体寄与5.6%を稼いでいます。「業界を読めない」と言いつつ、結果的には集中投資が成功している珍しいケースです。再現性は低いと自覚しています
  • 不動産・建設が想定外に弱い:構成比13.4%・銘柄数9と最大級のポジションサイズなのに、含み益率はわずか+5.1%、全体寄与は3.7%しかありません。住友林業の-117,349円が効いています。「賃料・受注残でキャッシュが読める」と思って厚く持っていた業界が、実は最も期待を裏切ったセクターでした
  • 食品・農業はバランス型:構成比12.9%に対して全体寄与11.3%とほぼ釣り合っており、ポジションサイズ通りの貢献です。木徳神糧の+367,500円が効いている一方で、マックスバリュ東海と伊藤ハム米久HDの含み損が削っていて、結果的に「期待値通り」に収まった数少ない業界です

ここから言えるのは、「自分の好みで選んだ業界配分(食品・不動産が厚い)と、実際に稼いだ業界(化学・金融・機械が稼ぎ頭)にズレがある」ということです。私は不動産が読めると思って厚く持ち、結果として最も寄与の薄い業界になりました。逆に、配当目当てで選んだ化学・金融・機械が、キャピタル面でも主役を張ってくれました。次のセクションでは、このズレを抱えたポートフォリオがTOPIXとどう違っているかを見ていきます。


TOPIXとの比較で見える偏り(構成比&リターン)

参考までにTOPIXと比較してみます。比較は「構成比」と「リターン」の2軸で行います。

構成比の比較

TOPIXの業種別時価総額構成比(概算)と並べたものです。

業界私のポートTOPIX(概算)差分
情報・通信18.2%約12%+6pt
不動産・建設13.4%約6%+7pt
化学・素材13.0%約8%+5pt
食品・農業12.9%約4%+9pt
金融・保険10.9%約11%ほぼ同
銀行(大手)単体0%約7%−7pt
自動車・輸送機器0%約9%−9pt
電機(大手)0%約13%−13pt
医薬品2.6%約7%−4pt

※TOPIX側の構成比は東証(JPX)が公表する業種別時価総額の数値を私が概算でまとめたもので、月次で動きます。原データはJPX公式の業種別時価総額ページ(https://www.jpx.co.jp/markets/indices/topix/)を参照してください。あくまで「方向感」の比較としてご覧ください。

明らかな偏りはこうです。

  • 多すぎ:食品・農業(+9pt)、不動産(+7pt)、情報通信(+6pt)、化学(+5pt)
  • 少なすぎ/ゼロ:電機大手、自動車、メガバンク、医薬品

トヨタもソニーも三菱UFJも武田薬品も持っていません。日経平均寄与度の大きい大型株がゴッソリ抜けている一方で、地味な内需株と高配当の中堅企業が分厚い、というのが私のポートフォリオです。

リターンの比較

次に、リターンを比べます。私のポートフォリオは2015〜2026年の11年で含み益+21.0%ですが、これだけ見ても上手いのか下手なのか判定できません。同期間のTOPIX(配当込み)と並べてみます。

指標期間リターン年率(概算)
私のポート(含み益のみ・キャピタル)2015〜2026年(約11年)+21.0%約2〜4%
私のポート(配当込みトータル概算)同上+30%前後約2.5〜4.5%
TOPIX(配当込み・参考)2015〜2026年(約11年)おおむね2〜2.5倍年率約8〜9%

※TOPIX(配当込み)の年率について補足します。JPXが公表する「TOPIX配当込み指数」の長期データを参照すると、2015年初〜2026年5月までの約11年間で、年率おおむね8〜9%(円建て・配当再投資前提)という水準が一般に確認できます。詳細な数値はJPX公式の指数値ページ(https://www.jpx.co.jp/markets/indices/topix/)をご参照ください。為替・配当再投資・期末タイミングで数値は若干変動します。

正直に書くと、TOPIX(配当込み)には劣後している可能性が高いと見ています。厳密なIRR比較ができないので断定はできませんが、インデックスを買って放置していれば、私の個別株11年の成績よりおそらく良かっただろう、というのが自己評価です。

TOPIXに劣後した理由を3つに分解する

「11年で年率2〜4%(仮置き)」と「TOPIX年率8〜9%(参考値)」のあいだには、年率で5pt前後のギャップがありそうに見えます。あくまで概算同士の比較ですが、このギャップが何で説明できるのかを、私自身のポートフォリオの中身から3つに分解します。

  • セクター偏重で大型株の上げを取り逃した:電機大手・自動車・半導体装置・メガバンクをほぼゼロにした結果、2020年以降の半導体回復、自動車のEV関連評価、メガバンクの金利上昇局面での銀行株上昇という、TOPIXを押し上げた主役級の上げをほぼ取り逃しています。これだけで年率の数pt分は説明がつきます
  • 高配当偏重で成長株の伸び代を取り逃した:エムスリーなど一部の成長系銘柄は持っていますが、SaaSやAI関連の成長株は「PERが高すぎる」を理由に避け続けてきました。配当の出ない銘柄を最初から候補から外していた、という言い方が近いです。結果としてキャピタルゲインの源泉を自分で狭くしてきた面があります
  • 利確も損切りも一貫性がない:JT+37万円は、配当が当面続きそうな水準で売却タイミングを早めに切った成功例ですが、青山商事-31万円はコロナショックの底値で投げ売った失敗例です。同じ私が、勝ち銘柄では早めに利確し、負け銘柄では底で損切りしている。基本ホールドを「方針」と呼んできましたが、実際は「動かないだけ」だった面もあると思います

それでもこの結果を「失敗」と片付けない理由は2つあります。

  1. 2015〜2020年の前半5年で、青山商事-31万円・コナカ含み損・毎月分配型ファンドの反省、という典型的な失敗をすべて経由しているため、後半の成績が前半の損失で押し下げられている
  2. 配当を毎年受け取りながら長期保有できる構成になっているので、心理的に握り続けられた(インデックス一本だと2020年3月に投げ売っていた可能性が高い)

「インデックスより劣後している可能性が高いが、自分の精神状態とは合っていた」というのが、11年やった上での率直な総括です。これから始める人には、迷わずインデックスをおすすめします。


なぜこの偏りになったのか:過去の失敗から逆算した結果

ここからは「なぜこういう配分になったか」を、私の実体験ベースで書きます。意図して組んだ部分と、結果的にそうなった部分の両方があります。

理由1:2015年スタートの「買える金額で選ぶ」失敗が今も残っている

2015年に投資を始めた当初、私は1単元10万円以下で買える銘柄ばかり選んでいました。コナカ株(7494)を738円×100株で購入したのもこの時期で、現在も含み損3〜4万円を抱えたまま塩漬けで保有しています。

この「安い銘柄から拾う」癖は、結果として中堅・小型の内需株への偏りを生みました。トヨタや三菱UFJは1単元の金額が大きく、当時の私には買えなかったのです。今のポートフォリオで電機大手・自動車がゼロなのは、その延長線上にあります。

最大の失敗は青山商事で、4,115円で購入した株を約565円で売却し、マイナス310,960円を確定させました。コロナショックでパニック売りした典型例です。

ポートフォリオ形成の起点となった2銘柄
-310960円
青山商事(最大の失敗)
376930円
JT(最大の成功)
2015〜2020年の個別株売買で確定した損益。この経験から、内需株でも財務と配当をしっかり見るスタイルに変わった。

理由2:高配当・地味な内需株が好きになった

JT(日本たばこ産業)でプラス376,930円という、最大の成功を経験してから、私の銘柄選びは「派手さはないが配当を出し続ける企業」に大きく傾きました。

旧NISAでは2015〜2024年の10年間で税引後の配当累計904,551円(約90万円)を受け取りました。配当を回し続けてくれる業界、つまり

  • 食品・農業(生活必需)
  • 化学・素材(B2Bで景気循環がやや穏やか)
  • 不動産・建設(賃料・受注残でキャッシュが見える)
  • 情報通信(KDDIなどの安定通信)

を厚めに取る方針が、今の業界配分につながっています。

理由3:銀行・自動車・電機本体は「自分が業績を読めない」ので避けた

銀行は金利政策と引当金、自動車はEV移行・為替・サプライチェーン、電機本体は半導体サイクルと事業の選択と集中。どれも私には決算を読み切る自信がありません。

代わりに、自動車向けゴム部品のニチリン、電機の周辺ITのKSK、銀行の周辺金融(アサックス・ジャックス)といった「川下/周辺」の銘柄を選んでいます。これは「業界そのものは避けるが、その業界に乗り合う中堅株は持つ」という発想です。


業界別の代表銘柄と一言コメント

各業界で評価額のトップを1銘柄ずつ取り上げ、選んだ理由を一言で添えます。冗長になりすぎないように、ここはまとめて1つの表にしました。

業界構成比代表銘柄(評価額トップ)評価額選定理由
情報・通信/ITサービス18.2%ビジネスブレイン太田昭和556,800円会計・経理SIで景気耐性が強く、配当も安定
不動産・建設・住宅13.4%東京建物711,800円オフィスビル賃貸の老舗で家賃キャッシュが読める
化学・素材・パルプ紙13.0%王子HD824,700円段ボール・特殊紙でEC需要に連動
食品・農業12.9%木徳神糧932,500円コメ卸最大手、生活必需で景気耐性が高い
金融・保険10.9%東京海上HD709,300円損保最大手、海外保険も成長、旧NISA配当の主力
機械・精密機器9.0%マブチモーター600,200円小型モーターの世界シェア、旧NISA配当累計トップ
小売・卸売8.2%ユニバーサル園芸社542,400円商業施設向けレンタルグリーンというニッチ
鉱業・エネルギー1.9%INPEX411,800円国内唯一の上流開発、原油高の恩恵を受ける

このポートフォリオに足りないと感じる業界

正直に書くと、足りないと感じている業界はこれだけあります。

  • 半導体製造装置(東京エレクトロン、レーザーテックなど):1単元が高すぎて手が出ていない
  • 総合商社(三菱商事、伊藤忠など):丸紅で6,700円の配当を受け取った経験のみ。買い時を逃し続けている
  • 海運(日本郵船、商船三井など):配当変動が大きすぎて手を出しづらい
  • 医薬品大手(武田、第一三共など):業界自体が苦手

逆に、今のポートフォリオで明らかに買い増したくないと感じているのは

  • アパレル(コナカ・青山商事の失敗が記憶に残りすぎている)
  • 中小型REIT個別(ETF経由で十分)

の2カテゴリです。


今後の方針:個別株は維持、新規資金はインデックス中心

旧NISAの教訓と今のポートフォリオから出した結論はシンプルです。

区分方針
既存の個別株73銘柄配当を受け取りながら基本ホールド
新規資金オルカン+S&P500の積立を継続
個別株の追加半導体装置・商社をPER割安タイミングで少額のみ
売却ルール減配・無配転落・財務悪化のいずれかが出たら見直し

個別株のスクリーニングを今から精緻にやって新規追加するより、インデックスで広く取りながら、既存の73銘柄を「配当を受け取り続ける土台」として運用するほうが、私のスタイルには合っていると感じます。


まとめ:偏ったポートフォリオでも、配当でホールドできれば成立する

観点私のポートフォリオの特徴
銘柄数73銘柄(個別株のみ)
取得元本18,131,316円
評価額21,937,150円
含み益+3,805,832円(+21.0%)
最大セクター情報通信18.2%
厚いセクター食品・不動産・化学(合計39.3%)
ゼロのセクター銀行大手・自動車・電機大手
個別株累計の最大成功JT+376,930円
個別株累計の最大失敗青山商事−310,960円
旧NISA10年の配当累計(税引後)904,551円
実効配当利回り(旧NISA・税引後・概算)年率約1〜1.8%

11年かけてここまで来ました。途中で青山商事のマイナス31万円も、コナカの含み損も、毎月分配型ファンドの反省も全部経由しています。TOPIX(配当込み)には劣後している可能性が高いものの、配当を受け取りながら握り続けられた、というのが正直な結論です。

HIKOがこの先1年でやる3つ

ここまでの集計と劣後分析を踏まえて、私自身がこの先1年で実行する具体行動を3つに絞りました。

  1. 新規資金はオルカン+S&P500への積立に集中する:個別株の追加買付は原則停止します。例外は、半導体装置や商社のPERが明確に割安と感じられたタイミングのみで、しかも少額に限定します。新規資金で個別株の業界配分をいじるのはもうやめます
  2. ワースト5銘柄の見直し基準を明文化する:「割安だから保有」をやめます。減配・無配転落・最終赤字2期連続のいずれかが出たら売却検討、というラインを自分の中で先に決めておきます。住友林業・ジャックス・和田興産あたりは、このルールに照らして次の決算で判断します
  3. 業界別構成比を年1回チェックする:TOPIXに合わせる必要はないですが、「自分が今どこに偏っているか」を毎年自覚する習慣をつけます。集計の手間は今回作ったCSV→業界分類のスプレッドシートで再現できるので、決算期末ごとに更新します

これから個別株を始める方に向けて一つだけ書くなら、私のスタイルは万人向けではないので、業績を自分の言葉で説明できる業界から3〜5銘柄で始めるのが無難だと思います。読めない業界に背伸びして買うと、私の青山商事のように、下げ局面で握っていられず投げる側に回ります。

業界配分をTOPIXに合わせる必要は、最初は無いと思います。それより「自分が握っていられる銘柄かどうか」のほうが、長期では効いてきました。


※本記事は私個人のポートフォリオを業界別・成績別に集計したものです。特定銘柄の推奨ではありません。投資は自己責任でお願いします。


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HIKO

保険業界10年勤務・30代IT会社員ブロガー

保険業界10年勤務後、IT企業に転職。生命保険・損害保険の「売り手側の論理」を知った上で、本当に必要な家計管理・投資の情報を発信。NISAや固定費削減の実体験をもとに、30代サラリーマンのお金の不安を減らすことを目指しています。

保険業界10年 IT転職 NISA実践中 固定費削減経験あり