平成時代を生きた30代・川崎市在住の HIKO です。保険業界で10年働いたあと IT企業へ転職、現在は FP2級として家計と投資の発信をしています。

「新ながいきくん」を調べている方の多くは、これから加入を検討しているというより、すでに契約がある状態だと思います。自分が郵便局で勧められて入った、あるいは親が長年入っていて、そろそろどうするか決めたい。本記事はその前提で、解約すべきかどうかを判断する手順としてまとめました。

本記事の返戻率・IRRは、公式サイトの保険料例(2026年5月2日の保険料改定後)と、終身保険一般の解約返戻金水準を基にした概算試算です。実際の返戻金は契約年齢・性別・予定利率・契約者配当の有無・契約プランによって変動するため、最終判断は必ず設計書で確認してください。また本記事は特定の保険商品の加入・解約を勧めるものではありません。

結論:これは「入るかどうか」より「持っている契約をどうするか」の商品です

新ながいきくんは、払込終了まで25年・損益分岐点の到達まで30〜35年という時間軸を持つ商品です。この長さのために、判断の性質が他の貯蓄型保険と変わります。

  • これから入る人にとって:25年以上動かさない資金と、終身の死亡保障が要るという2つの条件が同時に揃わないかぎり、優先度は高くなりません
  • すでに入っている人にとって:払い込んだ年数が長いほど返戻率は100%に近づいており、「今やめる」の損得は契約ごとに違います。一般論では決まりません

つまり同じ商品でも、契約を持っているかどうかで見るべき数字がまったく別です。すでに契約がある方は、この先の試算より前に、次の章の3つの数字を手元で確認してください。そこで結論が出てしまうケースが多いためです。

郵便局で勧められて入っている人が多い背景

新ながいきくんの相談で多いのは「郵便局で勧められた」「親が長年入っている」「学資の流れで紹介された」というケースです。かんぽ生命が高齢層・親世代に支持されてきた理由は、商品設計そのものより販売チャネルの特性にあります。

  • 全国の郵便局窓口で相談・手続きが完結する:銀行よりも店舗数が多く、地方でも徒歩圏でアクセスできる
  • 対面で書面を見ながら手続きできる:オンライン中心の民間生保より、紙ベースで進めたい層には心理的ハードルが低い
  • 長年の馴染みがある:親世代から数十年契約しているケースも多く、信頼が世代をまたいで継承されやすい
  • 「公的」というイメージ:実際には2007年に民営化されていますが、郵政グループの一員という印象から安心感を抱きやすい

このアクセスの良さは、内容を理解しにくい商品では大きな価値です。一方で、同じ理由から「貯蓄になる」という説明だけで終身保険を資産形成商品として受け取ったまま、契約が何十年も続いているケースも生まれます。

保険業界で働いていた頃の感覚としても、貯蓄目的と保障目的が本人の中で切り分けられないまま契約が続いている状況は珍しくありませんでした。この記事で確認したいのは商品の善し悪しではなく、その契約が今の自分の目的に合っているかどうかです。

新ながいきくんの型の違い|定額型・ばらんす型・おたのしみ型

「自分の契約がどの型か」で、これから起きることが変わります。契約内容のお知らせを見る前に、3つの型の違いを押さえておきます。公式の商品ページと約款に記載されている内容は次のとおりです。

死亡保険金の額(約款第1条)加入年齢生存保険金
定額型基準保険金額のまま一生涯15〜85歳なし
ばらんす型2倍払込期間満了前は基準保険金額、満了後は基準保険金額×50%15〜65歳なし
ばらんす型5倍払込期間満了前は基準保険金額、満了後は基準保険金額×20%15〜65歳なし
おたのしみ型生存保険金を受け取るたびに減っていく15〜70歳払込期間満了時とその後5年ごとに、基準保険金額の20%を4回

保険金額はいずれも100万円〜1,000万円、どの型にも低解約返戻金プランがあります。出典:かんぽ生命「新ながいきくん」商品ページ(https://www.jp-life.japanpost.jp/products/syusin/nagaiki.html )および「普通終身保険(R07)(低解約返戻金型)普通保険約款」(令和8年5月2日制定・https://www.jp-life.japanpost.jp/products/clause/pdf/syusin/202605/ssn16.pdf )第1条。

ここで多くの解説記事が取り違えているのがばらんす型です。商品ページの「保険料払込期間中は保険料払込期間満了後の2倍/5倍」という説明を読むと、基準保険金額が満了後の額で、払込中だけ2倍・5倍に上乗せされているように見えます。しかし約款第1条を読むと逆で、基準保険金額は払込期間中の額です。5倍型なら、払込満了後の死亡保険金は基準保険金額の20%、つまり払込中の5分の1に下がります。倍率の関係は同じでも、証券に書かれた基準保険金額を「一生涯続く保障額」と読むと、満了後の保障を5倍に見誤ることになります。

ばらんす型とおたのしみ型は、払込満了を境に契約の性格が変わります。 ばらんす型は死亡保険金が50%または20%まで下がり、おたのしみ型は生存保険金を受け取るたびに死亡保障が減っていきます。「同じ保険料を払い終えたのに保障が下がった」と感じる場面は、この設計から生まれます。

払込満了・70歳前後で「このまま持ち続けるか」を考えるときの見方

払込満了が近づく時期、あるいは70歳前後で契約を見直したくなる方は多いです。これは気分の問題ではなく、上の表のとおりその前後で契約の中身が実際に変わるためです。型ごとに、変わる中身は次のように整理できます。

  • ばらんす型:払込満了で死亡保険金が下がります。約款第1条のとおり、2倍型は基準保険金額の50%、5倍型は20%です。5倍型なら払込中の5分の1になるので、「払い終えたら保障が5分の1」という前提で必要額を見直してください
  • おたのしみ型:払込満了時から5年ごとに基準保険金額の20%を4回受け取ります。受け取るたびに死亡保障は減っていくので、「保障を残す契約」ではなく「分割で受け取っていく契約」に切り替わります
  • 定額型:払込満了後も保障額は変わりません。変わるのは解約返戻率で、払込終了から年数が経つほど上がっていきます

そのうえで判断の材料は、契約年齢にかかわらず最初に見る3つの数字に戻ります。払込が終わっているなら「あと何年か」の項目はクリアしているので、残るのは今の解約返戻率と、死亡保障が今も必要かどうかの2点です。

高齢期に入ってから特に効いてくるのは後者です。子どもが独立していて配偶者にも生活資金の目処がある場合、死亡保障の必要額は現役期より小さくなります。一方で、相続時にすぐ使える現金として死亡保険金を残したい、葬儀費用を家族に負担させたくないという目的があるなら、返戻率だけを見て解約する判断にはなりません。なお定額型は85歳まで加入できる商品なので、高齢期に新規で勧められることもあります。その場合は新規で加入を検討している場合の条件に当てはまるかで判断してください。

すでに契約がある人が最初に見る3つの数字

設計書または直近の「契約内容のお知らせ」を用意して、次の3点を確認してください。

①払込済まであと何年か

払込終了に近いほど、解約返戻率は100%に近づいています。残り数年なら、払込終了まで続けてから改めて考えるほうが、途中でやめるより損失を抑えられる場合が多くなります。逆に契約直後から払込期間の前半は、返戻率が大きく100%を割っている時期です。

②現在の解約返戻率が何%か

直近の解約返戻金 ÷ これまでの払込累計で出します。

  • 返戻率60%前後:やめると4割が失われます。判断は慎重に
  • 返戻率85〜95%:機会損失(他で運用していたらいくら増えていたか)との比較で考える局面です
  • 返戻率100%超:損益分岐点を超えています。あとは保障が要るかどうかだけの問題になります

③死亡保障が本当に必要か

加入当時と今とで、家族構成・住宅ローン残債・配偶者の収入・貯蓄残高は変わっているはずです。団信や勤務先の弔慰金、収入保障保険ですでに手当てできている、子どもが独立した、配偶者に十分な資産がある。こうしたケースでは保障の優先度は下がっています。

この3つのうち②が100%を超えていて、かつ③が「不要」なら、続ける理由は基本的に残りません。逆に①が残りわずかなら、いったん払込終了まで持つほうが有利になりやすいです。

選択肢は解約だけではありません

やめる方向で考える場合も、選べる手段は3つあります。

  • 解約:返戻金を受け取って契約終了。残り期間が長く、保障の必要性も低いなら最有力候補
  • 払済保険:以降の保険料払込をストップし、その時点の解約返戻金で「より少額の終身保険」に切り替えて継続。保障は減りますが、解約より資金拘束は軽くなります
  • 減額:基準保険金額を一部減らして保険料を抑える。保障の一部だけ残したいときの中間策

「保障は少し残したいが保険料の負担は減らしたい」という場合、いきなり解約するより払済や減額のほうが目的に合うことがあります。いずれも保険会社に相談すれば手続きできますが、契約条件によって不利になる場合もあるため、手続き前に各選択肢のキャッシュフローと保障内容を書面で確認してください。

数字の裏付け:45年持ってもIRRは年0.5%程度です

ここからは、判断の背景になる数字を確認します。公式サイトに載っている保険料例で計算します。前提は次のとおりです。

  • 商品・プラン:定額型(低解約返戻金プラン)
  • 契約:30歳男性・基準保険金額500万円・保険料払込期間55歳まで・口座払込み
  • 月額保険料:13,900円(2026年5月2日の保険料改定後。改定前は16,100円)
  • 払込期間:25年(30歳〜55歳)
  • 払込総額:13,900円 × 12ヶ月 × 25年 = 4,170,000円

前提のうち見落としやすいのが、この保険料例が低解約返戻金プランのものである点です。通常のプランではありません。改定後の保険料は2026年5月2日現在のもので、契約の基準保険金額・加入年齢・性別によって変わります。

かんぽ生命は契約年齢・性別ごとの個別返戻金表を公表していないため、現行近辺の終身保険レンジを参考に概算で示します(実額は設計書で必ず確認してください)。払込累計は公式の保険料例から計算した確定値ですが、返戻金と返戻率は私が置いた仮定です。

経過年数(年齢)払込累計(公式保険料から計算)返戻金目安(仮定)返戻率目安(仮定)
5年経過(35歳)834,000円約42〜50万円約50〜60%
10年経過(40歳)1,668,000円約100〜120万円約60〜72%
15年経過(45歳)2,502,000円約180〜205万円約72〜82%
20年経過(50歳)3,336,000円約270〜295万円約81〜88%
25年経過(55歳・払込済直後)4,170,000円約385〜410万円約92〜98%
30年経過(60歳)4,170,000円約410〜430万円約98〜103%
35年経過(65歳)4,170,000円約440〜460万円約105〜110%
45年経過(75歳)4,170,000円約480〜510万円約115〜122%

払込終了直後(55歳)でも返戻率は100%を割るのが通常で、損益分岐点は概ね払込終了から5〜10年後(60〜65歳)です。この抑制は約款に書かれています。低解約返戻金プランの返戻金は、約款第34条(2)により「保険料払込期間の満了前は、会社の定める計算方法により、その基本契約の経過した年月数により算出した額に0.7を乗じて算出した額」「保険料払込期間の満了後は、会社の定める計算方法により、その基本契約の経過した年月数により算出した額」と定められています。つまり払込期間中は算出額の7割に抑えられ、満了後は抑制がなくなるという設計です。上の表は保険料例と同じ低解約返戻金プランを前提に置いているので、「さらに3割引かれる」という話ではありません。

これを時間価値込みの内部収益率(IRR)に直すと、次のようになります。下の表の返戻率・受取額・IRRは、いずれもかんぽ生命が公表した数値ではありません。 上の返戻金レンジを私が置いた仮定として、月13,900円を各月の初めに300回払い込む前提で計算したものです。

解約タイミング返戻率目安(仮定)受取額目安(試算)年率IRR目安(試算)
55歳(払込済直後)約95%約396万円年率約−0.4%(元本割れ)
60歳(払込済5年後)約101%約421万円年率約0.05%
65歳(払込済10年後)約108%約450万円年率約0.34%
75歳(払込済20年後)約118%約492万円年率約0.51%

返戻率118%という見た目に対して、45年拘束したうえでの実質利回りは年率0.5%程度という試算結果です。18%増えると聞くと大きく感じますが、そこに至るまでに45年かかるので、年率に均すと1%にも届きません。数字そのものは仮定を含みますが、返戻率と年率利回りが別物であるという構造は、返戻金レンジを多少上下させても変わりません。「ながいきくんは元本割れする」という表現は、払込期間中の解約と損益分岐到達前の解約を指していることが多く、この時間軸を許容できるかが最大の論点になります。

生命保険料控除を足しても、結論は動きません

新ながいきくんの保険料は一般生命保険料控除の対象です。年収500万円・所得税10%・住民税10%帯で概算します。

年間払込保険料が80,000円超なら控除額は上限(所得税40,000円・住民税28,000円)まで取れ、月13,900円=年166,800円の払込はこれを満たします。

  • 所得税:40,000円 × 10% = 4,000円
  • 住民税:28,000円 × 10% = 2,800円
  • 年間節税額:6,800円 / 25年間の合計:170,000円

この節税額を各年の12か月目に受け取るものとしてキャッシュフローに乗せ、私が再計算すると、65歳解約時のIRRは年率約0.52%、75歳解約時で約0.64%になります。改善はしますが、年率0.5〜0.6%という水準は変わりません。

さらに、すでに他の生命保険(収入保障保険・他の終身保険など)で一般枠を使い切っている場合、この節税メリットはゼロです。医療保険は「介護医療保険料控除」の別枠ですが、終身保険・収入保障保険・養老保険は一般枠を消費します。控除を判断材料にする前に、自分の枠が空いているかを確認してください。

「解約してNISAへ」が正解にならないケース

同じ月13,900円をNISAつみたて投資枠の全世界株インデックスに25年積み立て、その後は積立をやめて10年据え置いた場合の試算です。新ながいきくん側の65歳解約と時点をそろえています。

シナリオ55歳時点(25年積立後)65歳時点(10年据置後)新ながいきくん65歳解約65歳時点の差額
年率3%(保守)約618万円約831万円約450万円+381万円
年率5%(中央値弱め)約817万円約1,332万円約450万円+882万円
年率7%(過去平均)約1,095万円約2,153万円約450万円+1,703万円

NISA側は「月13,900円を各月の初めに25年積み立て、その後10年据え置く」前提の私の概算です。手数料・暴落・将来期待リターンの低下は織り込んでいません。前章のIRRと同じく月初払いでそろえています。新ながいきくんの450万円は私が置いた返戻金レンジの仮定です。

月13,900円×25年積立・65歳時点評価額(NISA vs 新ながいきくん)
4500000円
新ながいきくん65歳
8310000円
NISA年率3%
13320000円
NISA年率5%
21530000円
NISA年率7%
65歳時点でそろえた比較。NISA側は25年積立+10年据置の概算、新ながいきくんは返戻金レンジの仮定値。年率3〜7%は将来を保証する数値ではありません。

数字だけを見れば差は大きいのですが、この比較をそのまま「だから解約してNISAへ」と読むと危険な場面が3つあります。

1. 返戻率がまだ低い時期に解約する場合 上の差額はこれから積み立てる分の話であって、すでに払い込んだ分を6割で引き上げたときの損失は計算に入っていません。返戻率60%台で解約して差額をNISAに回す判断は、確定した損失と不確実な期待値を交換していることになります。

2. 死亡保障が今も必要な場合 NISAは死亡保障を持ちません。保障ニーズが残っているなら、解約後に定期保険等を別途契約する費用まで含めて比較する必要があります。新ながいきくんの保険料には、貯蓄性だけでなく終身の死亡保障の対価も含まれています。

3. 値動きに耐えられない場合 上の試算は「長期で平均リターンが実現した場合」の期待値です。リーマンショック級の局面では評価額が一時的に半分近くまで沈むことがあり、確定的な解約返戻金カーブと同列に比較できる性質のものではありません。

なお、物価上昇の観点は両方に効きます。25年で物価が30%上がれば、固定額の死亡保障500万円の購買力は390万円相当まで目減りします。これは新ながいきくん固有の欠陥ではなく、長期固定の確定リターン商品に共通する性質です。

これから新規で加入を検討している場合

ここまでは既契約者向けでしたが、これから入るかどうかを考えている方向けに整理しておきます。

同じ低リスク帯・保障付きの選択肢と並べると、位置づけがはっきりします。

新ながいきくん(定額型)
元本性 解約返戻金ベースでは元本割れリスクあり(払込終了5〜10年後以降で返戻率100%超)
想定利回り 年率約0.3〜0.5%(長期保有時の私の概算)
流動性 払込期間中の解約は元本割れ
定期保険+NISA
元本性 NISAは元本割れリスクあり・定期保険は掛け捨て
想定利回り NISA期待値年率3〜7%(確定ではない)
流動性 NISAはいつでも売却可・定期保険は解約自由
個人向け国債(変動10年)
元本性 国による元本保証
想定利回り 第197回(2026年8月募集)年1.87%・税引前
流動性 1年経過後から中途換金可
変額終身保険
元本性 死亡保障に最低保証あり/解約返戻金に最低保証なしの商品が多い
想定利回り 運用次第で年率2〜5%帯になり得る
流動性 払込期間中の解約は元本割れリスク大

個人向け国債の利率の出典は財務省「現在募集中の個人向け国債」(募集期間 令和8年8月6日〜31日・2026年8月12日確認)です。変動10年の利率は半年ごとに見直されます。

流動性は4つの中でいちばん低く、しかも金利上昇で個人向け国債の利率が新ながいきくんの想定利回りを上回った状態です。貯蓄性だけを目的にするなら「定期保険+NISA」「個人向け国債」のほうが資金拘束が軽い分、扱いやすい場面が多くなります。

新規加入が合理的になるのは、終身の死亡保障に明確な目的があり(相続対策・葬儀費用・配偶者への保障など)、かつ25年以上動かさない資金があるという2つが同時に成り立つときです。どちらか一方だけなら、目的に対してもっと素直な商品があります。

私自身は2015年からNISA(旧→新)でインデックス投資を続けてきました。年収300万円スタートで、コナカ株を9年塩漬けにし、青山商事では31万円の損失を確定させています。そのうえで言えるのは、「終身保障=最適」ではないということです。保障を確定的に取りにいく選択にも、25〜35年動かせないという別の形のコストが必ず伴います。

かんぽ生命の評判・苦情|生命保険協会の公表データで見る

かんぽ生命については検索すると強い言葉が並びますが、会社単位の苦情件数は生命保険協会が四半期ごとに公表しています。印象ではなく数字で確認できる部分です。

項目かんぽ生命業界平均(27社)
協会に寄せられた苦情件数108件
個人保険保有契約件数12,479,000件
保有契約100万件あたり8.7件16.3件
(参考)各社が自社で受け付けた苦情件数27,744件

協会に寄せられた108件の内訳:新契約関係 42.6% 収納関係 4.6% 保全関係 20.4% 保険金関係 27.8% その他 4.6% 
2025年度第1~第4四半期。出典:生命保険協会「生命保険各社の苦情受付情報」。 業界平均は同じ公表資料のうち個人保険保有契約件数が100万件以上の27社について、苦情件数の合計を保有契約件数の合計で割った値です(単純平均ではありません)。 協会に寄せられた件数は窓口が一つなので会社間で比べられますが、各社が自社で受け付けた件数は苦情の定義・計上範囲が会社ごとに異なるため、会社間の比較には使えません。件数の多寡は商品や会社の優劣を示すものではありません。

保有契約100万件あたりの苦情件数は業界平均を下回っています。件数の絶対値も、保有契約の規模に対しては小さい水準です。

一方で内訳を見ると、新契約関係の比率が高いという特徴が出ています。日本生命・第一生命の同じ公表資料の内訳と比べても高く、申出のうち申込・契約手続の段階に関するものの割合が大きいということです。理由をこのデータから断定することはできませんが、新規契約の局面に注意を向けておく実務的な根拠にはなります

本記事の結論と重ねると、既契約者は経過年数と解約返戻率で冷静に判断すればよく、慌てる必要はありません。一方でこれから新規で入る場合は、返戻率とIRR(年0.5%程度)の違い、25年以上動かせない資金であるかどうかを、契約前に自分の手元で確認しておくことをおすすめします。

なお公表データは会社単位で、新ながいきくん単独の件数は分かりません。商品別の内訳は公表されていません。

FAQ

Q1. 新ながいきくんは解約すべきですか? A. 一般論では決まりません。判断材料は「払込済までの残り年数」「現在の解約返戻率」「死亡保障が今も必要か」の3点です。返戻率が100%を超えていて保障も不要なら続ける理由は薄く、払込終了まで残りわずかなら継続してから考えるほうが有利になりやすいです。解約以外に払済・減額という選択肢もあります。

Q2. 新ながいきくんは元本割れしますか? A. 解約返戻金ベースでは元本割れリスクがあります。払込期間中の解約は返戻金が払込累計を大きく下回るのが通常で、損益分岐点は払込終了から5〜10年後に到達するケースが多い設計です。「元本保証商品」ではありません。

Q3. 低解約返戻金プランは選ぶべきですか? A. 月額保険料を抑えられる代わりに、払込期間中の解約返戻金がさらに低く設定されます。25年間解約しない前提が置けるなら保険料軽減を取りにいけますが、途中解約の可能性が少しでもあるなら通常プランのほうが無難です。

Q4. iDeCoやNISAとの優先順位は? A. 貯蓄目的だけで終身保険を選ぶなら、一般論として (1) NISAつみたて投資枠 →(2) iDeCo(節税効果が高い)→(3) 新ながいきくん、の順が合理的なケースが多いです。新ながいきくんは「死亡保障の必要性」が明確にある場合に検討する商品と位置付けるのが妥当です。

Q5. 保険会社が破綻したら? A. 生命保険契約者保護機構により、破綻時点の責任準備金等の90%まで補償されます。ただし補償されても、保険契約の移転時に予定利率の見直しなど契約条件の変更が行われ、死亡保険金や満期保険金が契約時の金額より少なくなる場合があります。会社の健全性を見る指標は、2026年3月期からソルベンシー・マージン比率(支払余力)に代わって経済価値ベースのソルベンシー比率(ESR)になりました。早期是正措置の対象も旧規制の200%未満からESRの100%未満へ、全社平均も生保単体で旧873%に対しESR215%(2025年3月末時点)へと、基準も水準も変わっているため新旧の数値は並べて比較できません。新ながいきくんのように25年以上預ける契約ほど会社を見る期間は長くなりますが、比率だけで健全性のすべてを判断することは適当ではなく、資産運用の状況や業績の推移とあわせて各社のディスクロージャー誌で確認する必要があります。新しい指標の読み方は30代の保険は見直しが先|削るべき保険と残すべき保険の判断基準に整理しました。

Q6. 定額型・ばらんす型・おたのしみ型のどれを選ぶべきですか? A. 貯蓄性だけを目的にするなら定額型がシンプルで、保険料も最安です。ばらんす型・おたのしみ型は保険料が上がる分、貯蓄性の実質利回りは下がります。3つの型の仕組みと払込満了後の動き方は新ながいきくんの型の違いにまとめています。

Q7. 70歳を過ぎた新ながいきくんは、持ち続けたほうがよいですか? A. 年齢だけでは決まりませんが、払込満了の前後で契約の中身が変わる点は押さえてください。ばらんす型は払込満了で倍額保障が終わり基準額に戻ります。おたのしみ型は払込満了時から5年ごとに基準保険金額の20%を4回受け取り、そのたびに死亡保障が減ります。定額型は保障額が変わらず、返戻率だけが上がっていきます。払込が終わっているなら判断材料は「今の解約返戻率」と「死亡保障が今も必要か」の2点で、相続時にすぐ使える現金や葬儀費用という目的があるなら返戻率だけで解約を決める話にはなりません。

Q8. ばらんす型の5倍型と2倍型は何が違いますか? A. 保険料払込期間中の死亡保障が、払込満了後の何倍になるかの違いです。5倍型のほうが現役期の保障は手厚くなりますが、その分保険料も高くなります。約款第1条では、どちらも払込期間満了前の死亡保険金が基準保険金額で、満了後は2倍型が基準保険金額の50%、5倍型が20%に下がります。貯蓄性を目的に選ぶ商品ではありません。

保険を解約していいか迷ったら
保険をNISAに振り替えるかどうかの判断は、「①保障の必要性 ②運用効率 ③代替手段とのセット」という3つの判断基準で整理すると失敗しにくくなります。やめていい5つの条件・具体的なチェックリスト・解約後の振り向け先までまとめています。
解約の判断基準を見る →

続けるにしても、減額・払済・解約のどれかを選ぶにしても、「保険で持たない分のお金をどこに置くか」という問題は必ず残ります。本記事の試算では45年保有してもIRRは年0.5%程度でしたから、置き場所の候補としてNISAの非課税枠は先に用意しておいて損のないものです。

続ける・やめるを決めたあとの受け皿を用意しておく
新ながいきくんを続けるかどうかは、払込済までの残り年数・現在の返戻率・死亡保障の要否で決まります。ただしどちらを選んでも、保険で持たない分の資金をどこに置くかは別途決める必要があります。楽天証券は投信の積立設定・クレカ積立に対応しており、口座開設と維持に費用はかかりません。
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※NISAでの運用は元本割れの可能性があります。解約・払済・減額の判断は必ず設計書でご確認ください。

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